第73章 キルアの冒険
エンドを常に繰り返して誰も技を出せないようにしつつ、肉弾戦で
と言うか…
関節技で落としにかかりまくるケイトを、僕は静かに見守っていた…;
キルアへ右腕で覆うように卍固め、余った左腕でルアンへ頸部をヘッドロックをかますケイトに…
フィン「ははははは…;」
硬直した笑みを張り付けながら思った…
絶対敵に回したくない、と…;
妊婦なのでそろそろ止めたいのだが…
流石に荒事に発展するのは目に見えてるし、何より乱暴する訳にもいかないし……
ケイトのお腹の子、ウルともう一人の女の子に保護だけ掛けておこう;
うん、巻き添えは食らいたくない…――
テロップ『ご尤も』
数分後…比較的すぐに事は納まった…
キルア「なんでこうなったんだよ…;」げっそり
ルアン「ホント…;」げっそり
ケイト「私にもわかんない;
ノリに任せてたらつい;」げんなり
ルアン&キルア『ノリでやんなよ!!;』
ケイト「ごめん;」しゅん
げんなりし切ってる2人に、ケイトは肩を落としながら頭を下げる。
それに対し、観戦中にお互い座っていた椅子に再び座るよう目の前に運んで促した。
フィン「まあ…これでお相子、かな?^^;」
その際、ルアンの好転に興奮して蹴飛ばした自身の椅子を戻しながら苦笑交じりに返す僕に対し、
キルア「もっと早めに止めろよな!;」
ルアン「全くだ!;」
と口早に、口々に返された…
フィン「あはは、済まない^^;
次からは早めに声がけすると確約するよ」
キルア「ぜってぇー保身だよな?」じとー←フィンへじと目で睨んだ後ルアンにじと目のまま返す
ルアン「な?」じと目←同様
ひそひそ←キルアとルアンで内緒話
フィン「聞こえてるからね?^^;」ひくひく←笑顔が引き攣っている
ンー…←顎に手を当てたまま考え込む
しかし、いいように流されてしまったね。
売り言葉に買い言葉で起こるかと思われた再戦も、これで未然に防がれた…
もし仮に勝負を再びするにしたとして…
キルアからすれば、絶対次は負ける、と思っていることだろう。
侵入型のあれを防げるのは、青の高次元レベルだけ。
だが、最初から緑のあれと共に実行していたら…?
無論、ルアンの方に軍配は上がるだろう。
想像に容易い。
技は一つだけで満足してはいけない…己を滅ぼす元だ――