第73章 キルアの冒険
キルアは…極端なことに、雷のみだった。
風はあっても雀の涙ばかり。
光の扱いでどうにかするのではなく、自身の『奥義』に則って動かなければ…
まだこの世界に来て日も浅い、経験もそう無いからやむを得ないが…
フィン「雷:9.5、風:0.5か…」
僕は、雷:6.8、風:3.2だった。
雷は最大でも7しか発揮できない。
そこが滅神の属性の面白い所でもあるのだが…
一緒くたに出来ないからこそ奥深いというか、深みを増しているというか…
まあ置いといて…
キルアのオーラは、サファイアのような深い青色。
僕のように赤みが僅かでも混ざっている訳でもない。
さて…どう出るかな?(ふっ)
テロップ『謎の強者感!』
一方、ケイトはケイトで…
フィン「ん?」
ケイト「@@」おろおろあわあわ
どっちにも勝って欲しくて、どっちにも負けて欲しくなくて、顔色をコロコロ変えながら
目の前の結果や僅かな変化に過敏に動揺したり、応援でも両方にしたいが故に、だが気遣って声にも出せず、おろおろあわあわと…必死に右往左往していた。
テロップ『だが手足が動いているだけで実際には何も出来ていない!』
フィン「…ぷっ//
ふふっ^^//」肩震わせ笑い
うん、可愛い…//←腕組みしたままケイトのみへ穏やかな優しい目で、目を細めながらすっかり見入っている
テロップ『ベタ惚れだ!
完膚なきまでのベタ惚れだ!』
何か問題でも?(黒真剣睨視)←どこか底冷えした声
テロップ『問題ありません』真っ青がくぶる←ガラリと変わった声色と態度に完全降伏
毎度のことながら…本当に飽きないな^^(くすくす)←顎に拳を当てたまま笑みが止まらなかった
そうして…不意に、『奥義』は産まれた――
キルア「あー…
俺って、『円』苦手なんだよねー…
オーラの覆ってる範囲を広げる技術なんだけど…
俺の場合、帯電って形でうまいこと出来てそー」
そういうキルアの身体には、雷が常に覆った状態になっていた。
理論上オーラもまた『気』の一種、魔力と同様にエネルギー体だ。
だから出来なくもない…
「オーラを集中させると攻防力が上がるのと一緒ね、なるほど」と納得していたので、恐らく原理は同じなのだろう…
近付く全てを焼き消し、更に風の鎌鼬も用い奥深くまで切り刻み雷を焼き付ける『必殺技』と化した――
