第73章 キルアの冒険
だが…どうしても一つ、胸の奥で引っかかっている。
フィン「済まない、ケイト…
だが、清濁を併せ呑む覚悟で…到底正義とは言えないことを多くしてきたのも事実だ。
だから…こんな後ろ暗い僕は…」
ケイト「そんなの私だってそうだ!!」
フィン「だが、僕は…君とは違って…
素で助けようと、ただの一度も助けられず傷付けられるばかりの当時にして欲しかったことをしようと、『思える心の人間』ではないんだ。
自分で、そう在ろうとして、「作られたもの(人工)」で」
ケイト「そんなんゆったら私だってそーだよ!!!」
フィン「え?」
ケイト「私だって!!
手当たり次第に殺したかったよ!!
全員!!全部!!なんでも!!
関係ねー!!って殺したかったよ!!!!
居ても居なくても傷付けてくる以外しないんだから!!
それ以外されたことなんてないんだから!!!
一人残らず!!誰も彼をも!!!!
皆!!!皆!!!!全部!!!!!
殺したくて仕方なかったよ!!!!!
本来の私?
ずっと悲鳴あげて!泣きじゃくって!暴れ回りたくって!!
心の内がぐっじゃぐじゃで!どうにかなりそうで!!
自分に当たり散らすしか!!殺すしか出来なかったよ!!!!
そうすることで!何もしないことで!!
それでしか!何も守れなかった!!!!
そうして人を守ることでしか!!私を…守ってやれなかった……」俯
初めて聞いた……
心の内で、そんなことを、葛藤を抱いていたことを…
本心からの願い、世界ごと殺し尽くそうと心底憎み
そのお前が死ねと矛先を自ら自身へ向け、その全てを殺していた。
あの条件を見た時、気付くべきだった…←1322,1327ページ参照
「人という存在を憎み、世界ごと滅ぼそうとする自分の中にある強靭な意志」の自覚。
悪しき呪いがかからないよう故意に過ちをしないよう常に意識し配慮を怠らない。←1420ページ参照
どれほど苦しくても…憎くても…怒ったとしても……
父による姉と母への八つ当たり、被害から守る為に
誰にも悟らせないよう、気丈に常に振る舞い、自らのことを他人事とし、大丈夫と、気遣ってばかりいることしか…
それ以外の自由等なく、考えも意思も何も要らないと主張そのものを拒絶と否定しかされない。
終いには…自身のことに伴う怒りも、全て…何も感じなくなった……
