第73章 キルアの冒険
癌の魂にも学びの機会を与えられるのはそれでだ
消されずに済む癌の魂は、兆に一つしかないが
逆に地獄落ちや癌へは非常になりやすい
楽だから
だからこそ、周囲を癌化させる魂もまた消させられる
個別、あるいは、世界ごと…
ケイト「沢田綱吉は、元から清んだ魂で、そこから癌化したの?」
ふるふるふるふる!!!!←凄まじい勢いで首を横に振る
ケイト「あ、違うの?;」
滅神「違う!
あれは…今までに見たことのないほどに癌のみで構成されたほどの、癌の魂だった
ジョットの時でもあれだったが…成長を、可能性を信じて、送り出した
人の優しさを知り、それに囲まれ、
人へ、他者へ、差別なく、惜しみ無く、
優しさを向けられるものへ育って欲しかった
だが…そうはならなかった
優しさを向けられるのが当たり前で
向けられないことが悪い、異常なことだと周りを攻撃し、殺し、責め立てる
経緯あるものであっても、やむを得ないとしても、
慮ることもなく、自ら力になろうと考え至ることもなく、動くこともなく、
悪人として接し、優しさを向けるにしても、どれもこれも根本からずれたものばかり…
成長の目処などなく、全てがずれたものでしかない
「堕落」こそが、「癌化」よ
人に寄り添い、支えるそれとは真逆
反するものへ、阻み、傷付け、殺そうとまでする
そこには、『他者の心を考え、慈しみ、尊重すること』などもない
経緯、価値観、環境、基準、道、信念
人は…様々なもので構成されている
それを、
違うだけで、一時の言動だけで、
盲目的に決め付ける」
ケイト「私も…地獄落ち、って決め付けちゃったかな?」俯
滅神「いいや←頭を振る
お前は、お互い様と割り切って、それごと受け入れ、
傷付けよう殺そうとする己の感情を、心を、諌めてみせた
今ではそれごと受け入れ、その感情ごと愛し、前へ進もうとしている
お前がしたのは…
人の癌化、地獄落ちを防ぐ為に
消えて欲しくない一心で、健気に、愚かにも向かっていったものじゃ
わしに、たった一人で、歯向かっていこうとまでしてきたのだからな…」
ケイト「私は…ただ…自分のせいで、誰かが傷付くのが嫌なだけだよ
もし、もしもさ、理解者が出来たら、
派閥みたいなものが出来て、誰かが傷付け合って…
そういうの、嫌いなんだ…嫌なんだよ←俯く
