第73章 キルアの冒険
ケイト「!!」顔上げる
キルア「みずくせえまね、すんなよっっ
俺とお前はっ
夫婦だろ?
まだなっちゃいねえけど…
俺の中じゃ、とっくにそのつもりでいるんだよっ!
俺は…お前を、喪いたくねえよっ」ぼろぼろ
ぎゅうう
正面からケイトを抱き締めて、慟哭を上げて叫んだ
ケイト「っ」ひっく&わなわな
キルア「一人でどっかに行こうとしてんじゃねえ!
生き急いで勝手に死にそうになんな!!
俺は、お前がいれば、それで十分だよ…
だから、無茶、すんな
これ以上、殺すなよ…っ
俺は、もっと…お前といてえよ」
ケイト「私だって…一緒にいたいよっ
誰も欠けないで、皆、誰も欠かせずに笑えたらって、思うよ
でも、無理なんだ
消さなくちゃ、染まってないものまで皆、全部消えちゃうっ
ご先祖様に顔向け出来ない人で在りたくない
今も生かし続けてくれてる神様に応えたい、恩を返したい
あの世で、お互い、頑張ったなって、笑い合いたい
この世でさえなければ、思考だけでなく心を通じ合わせられるから
恥じない自分で在りたい、けど…
消されるのも、誰かが消された横で、知らなかった振りしてなんて笑えないっ
私が消えたいっ
何で私だけうっすらと記憶があるんだよっっ
始祖神の原初の魂だからって限度があるよっ!」声震&号泣
キルア「それで自分追い詰めて殺そうとしてんじゃねえよ!!
記憶さえなければ耐えられるものでもねえんだろ?
なら…
どう転んでも同じだろ?
癌の魂は、すぐ消せるパラレルワールドしか存在を許されない
それが書物化された原書にも、聖書にも残せない
それは…いずれにせよ消されるからだ
それ以外の結果を残せるなんて、癌の魂が兆個あっても一つしかねえから…
ちゃんと、見極めて、100%でない限り消されない
だから…お前が、どれだけ…
こういうことさえやらなけりゃ消されないって思ってたって、わかってたって、訴えかけたって!
本人が自分からやらねえ魂なんだから、無理だって、言ってんだよっ!(涙)
もう消えたんだよ…沢田綱吉の魂は―
他の奴等だって、悪く言ってるって受け取るしか能のない連中だろうが!!
お前が事を荒立てまいとする性格や親切心に付け入ってさあ!!?
お前に出来ることは全部やったよっ!
だから、結果に振り回されんな!!」