第2章 冒険者・1日目
ケイト「…うん」
その説明に納得した後も、映像は続いていた。
ケイト『生きよう!
何をされても、頑張って生きていこう!』
その笑顔は晴れやかで、とても楽しそうに見えた。
共に成長する楽しみを、その両親から産まれた妹から味わった。
生きる原動力となった。その為に生きようと頑張れた。何だって耐えられるぐらいになった。
父親となってくれた人は鍛冶師だった。母親となってくれた人は主婦だった。
妹となってくれた人は…赤ん坊から4歳に成長していた。
街の人達から何をされても動じなくなった。
それ以上に、家族という存在が大きかった。その為に生きようと頑張れた。
その結果が…死んだ。
街の人に、殺されたんだ。
私の血が入って感染して同じ化け物になったに決まってる。
そんな偏見を持たれ、事実かどうかさえ発覚していなかったものの、疑わしきは罰するべし。
街の人達は育ての家族を殺した。私がいない間に……
自分のせいで殺された。
ヴェルフィンさん…オリヴァさん…シル、キー……
自分に纏わることで起こったことには、涙は涸れ果てたはずだった。
だと言うのに…不思議なことに…震えが止まらなかった。
天を仰いで、夢ではないことを実感して…断末魔が家に響き渡った。
外では高笑いが聞こえてくる。耳を刺すのは、ことに陥った理由。
その時になって気付いた…
どんな嫌がらせをされても「何も感じない」かのような反応を取り続けていたことに対する当てつけ、嫌がらせなのだと。
ケイト『うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
嫌だ!嫌だ!!嫌だっ!!!
混乱しかなかった。哀しみしかなかった。苦しみしかなかった。
初めてできた、血の繋がらない、それでも一番大切な人…
インゴットのもととなる原石を取ることを頼まれていて、取りに行って用事を済ませていた間に…奪われた。
ケイト「どっくん!)…あっ;;ああっ;;」ぼろぼろ
アイズ「ぎゅうっ)…」
涙が止まらなかった。
当時のことがフラッシュバックのように蘇り、現実のように感じた。
それをアイズが抱き締めて、現実に引き戻してくれた。
その光景を見た瞬間…記憶が一気に呼び覚まされた。
見ているこちらまで涙が溢れ出して止まらなかった。