第72章 真相

皆が皆、幸せであって欲しいと望んでいる

誰かの犠牲もなく、立場の差別もなく、
痛みに、気持ちに、心に、寄り添って…

その為だけに力を出し、尽力する…


たったの一度でも…自分の為に戦ったか？

あるとしても非常に稀有だと、言っておこう…

人の利にならなければ、
行動にも起こそうともしない人だから…


それが…いい所でもあり、悪い所でもある



自己の価値一つで、
人の人生を終わらせること、それを好きに決めて与えることは、
罪か？

逆にされれば、どう思う？

された側の立場を、気持ちを、考えたことはあるか？


自分の価値一つで、
殺しでも、傷付けることでも、
何でもして許されるのならば、

何の為に、人はある？



人の抱く価値とは、基準とは、『人生』そのものだ

歩む道のりも違えば、傷も違う
だから好き嫌いも、在りたい形も、理想さえも、全て異なる


理解できない人全て、異なる人全て、相性の悪い人全て、悪として、何になる？

それに気付けず、やりたいようにし、
心も痛めず、繰り返し、笑うことに、何の意味がある？


だからこそ、消すのだ
消さなければならないんだ

全ての魂の為にも…

そんな、どうしようもない魂から…世界も、魂も、霊体も、何も、かもを、守る為に



殺しても、何をしても、何も感じず、意に介さず、繰り返し、しまくれる

そんな魂は…存在してはならない
それが、あの世での取り決めであり、絶対だ…

ダメなことはダメ、それが絶対の掟であり理…
世界を救おうが神になろうがいい部分が無限にあろうが何をしようがだ


だからこそ…異世界の僕が、滅神の弟子となった魂が、ここに来ようとしている…

滅神の原初の魂である僕…
いや…始祖神の原初の魂である、ケイトのもとへ…



彼のいたことによる影響全て、その因子まで、一切合切全てを消す為に……

そして、原初の魂とそれに準ずる霊体を消させない為に


リボーンという世界は全て消える
いい人があまりにも少な過ぎた…

その因子全てを、抹殺すること…



それが、滅神から弟子へ課せられた使命であり、『実地試験』だ――



キルア「何が要因になってるかわかったもんじゃねーから全部消すんだと」もぐもぐ

それらが、異世界の僕の口から明かされた…
テロップ『1999年旧アニメの声です！』