第72章 真相
フィン「!」
ケイト「寧ろ、そうでなくては…
『約束の刻』を待たずして下界が『冥府』へと変わること等、起こり得ない。
そもそも…迷宮は、私が…闇に飲まれた魔神を魔界へ封印する際に通してしまったものだ。
頼れとは言われたが…迷宮の限界が近い。その時、一番被害を受けるのはウラノスだ」
フィン「……そういうことか…」
ケイト「その行き着く先は…下界の崩壊。
今度ばかりは、始祖神の力など通用しない。
私の龍の力=魂の力(始祖神の力)を、迷宮が親と錯覚して容認されてきたが、
終末神、アンタレス、全ての闇の神、皆の神に至った故の力、滅神…色々と度重なったこともあって、迷宮そのものに限界が差し迫っている。
黒いモンスターとは…迷宮が、神々に殺されまいとして怨みの結晶を生み出した結果、産物に過ぎない。
本来なら迷宮は、あの時に黒いモンスターを生み出していても不思議ではなかった。
だが、アルテミスの力が解放された時には大暴れこそすれ、黒いモンスターまでには至らなかった…
アンタレスの事件を受けて…
私が、私以外の神々の力を迷宮が察知できないよう、影響が齎されないよう、始祖神の力で迷宮全体に『結界』を張った…←2118ページ参照
それもあって、他の神々同士のぶつかり合いでも、滅神による消滅だとか色々あっても、別段何ら変化は起きずに済んでいた。
始祖神の力で迷宮を安全なものに変えることも考えたが…大人しく、地下であり続けろという強要になる。
それでは意味がないし、後々の問題が凄惨化されるだけだ。
その分、それまで力を蓄えられるばかりで、暴れられる時にとんでもない被害が出る。
一時の平穏の為に、後々の未来を、無辜の民を犠牲にする訳にはいかない。一時凌ぎでは何ら意味がない」
フィン「で、具体的な策は?」
ケイト「ない」
フィン「……ない?;」
ケイト「ない。
全くもって防ぐ手立てがない。何をもってしても全て、最悪の事態へ陥る。
サポちゃんの予知によると、もう数年も持たないって。
このまま何もせず、指をくわえて、迷宮が今のまま続いて当然ですって笑ってれば」
フィン「ぐさっ!)
耳が痛いね…;」腕組&苦笑
ケイト「別にフィン達を責めてる訳じゃないよ;
う~ん←腕組み頭捻る
迷宮は殺されたくないだけだし、それさえ守れば、あるいは…」
