第72章 真相
フィン「迷宮は殺されたくないだけ?」
ケイト「うん。
迷宮にとっては子供同然の異端児(ゼノス)もね…
神の力によってダンジョンが刺激され誕生する黒いモンスター…
神の力なくして、滅ぼせはしない。
そして…精霊達の協力もあって、神の力同然までに高められ、更に異端児まで全滅、危機に瀕し、追い詰められた」
フィン「それで暴走、キマイラの誕生に至った。
そして冥府になるのは確実だったから神々は降臨した、と…」
ケイト「頷)そう。
サポちゃんの迷宮への侵入を不許可にしたのは、迷宮への刺激を減らす為。←3496ページ参照
ずっと長く続いて当然などというものはない。
それを介するのがたとえ始祖神の力だとして…絶対は、この世にない。
偶然の産物で、思考して、意思疏通が出来る、話せる個体までできた。
それが異端児…
しかし古代では、モンスターは何であれ敵だった。
甘言に騙されるな、唆されるな、と、逆に不信感を一層露にさせた。
異端児を守る為、己の身を守る為、迷宮は立ち上がった。
魔神の最後の神の力の結晶、神とも言える『無限に出し続ける生物兵器、ダンジョン』が…」
フィン「殺さないつもりであることを伝えれば?」
ケイト「でも同じ。
それ以上の神々の力の存在を感じるだけで、自分が殺されると過敏に感じて暴れられる。
それを誓約で黙らせてきた。殺さないから、という了承の為に、神の力まで封じて…
来たるべき時(約束の刻)までに、打開できる力を人類へ与える為に――
今まで入れていた迷宮の内側全てが、実は体外の外表そのもの。
それをずっと地上に潜ったままってのも息苦しいだろうし…(う~ん)←腕組みし考え込む
それかいっそ人型にして別の生物とする?
だが…地上に、迷宮が這い出てくるのをどう防ぐか……
魔神の闇は既に全て浄化されているから大丈夫として…
その機能が問題なだけだし」
フィン「その問題となる機能だけを封印したらどうだい?」
ケイト「それだ!
異端児を保護する協定は既に結ばれた後だし
産まれたばかりで装備をしないといけないってことを知らないものもいるかもだから…
まあ、未開拓領域に常駐してる異端児もいるから大丈夫かな?」
フィン「ああ、予知情報も予め纏めて渡してあるからね」
ケイト「とりあえず…ダンジョンに伝えてくるね」