第72章 真相
ウラノスが時代の転換期、『古代』の節目に最初に降臨した神々と共にこのオラリオの地へ降り立った。
そして『大穴』から溢れ出るモンスター侵攻防止に尽力し、子供達と共に迷宮都市の前身となる要塞都市、ダンジョンの『蓋』を築き上げた。
ウラノスが『祈祷』を行うことで、絶大な神威(しんい)でダンジョンを抑え込むことで、『古代』から繰り返されてきたモンスターの大移動や地上進出の動きは抑えられている。
『約束の刻』まで、迷宮は「殺されない為」に、
神々によって、例のモンスターを最深部へ封じ込み、元あった場所より更に地下へ、迷宮の階層を増やしてでも封じ込めさせた。
それらの為に、『結ばれた誓約…そして決着』が迷宮の最深部にある。←1737ページ参照
そして、その当時に生み出された『黒いモンスター』…それは私達の手で潰えさせた。←1736ページ参照
フィン「キマイラだったのはそれでか!」
ケイト「…」頷
すると何を思ったか、パイオニアを空間収納庫から取り出し
あの当時にキマイラへ放った技(魔力の斬撃)を出した…←1745,1746ページ参照
聖輪(せいりん)…
そう技名を付けられ、囁かれている…と……
そして、言葉を続けた。
ケイト「あのキマイラを倒せない限り、
それほどの強さを持たぬものでなければ、異端児は守れはしないだろうと…
異端者と人類の共存の為にも…あれは滅しなければならない、と。
神がダンジョンに入ってはいけないという決まりや
「神の力(アルカナム)」を地上及びダンジョン内で使用してはいけないという決まりは、
黒いモンスターが生み出されないようにする為。
もし神の力の応酬が始まれば、ダンジョンは『約束の刻』を待たず、誓約を破ることとなる。
そうなれば、誓約が破られれば、たとえあのキマイラがなくとも、
『怪物を生み出す巨大な怪物『迷宮』』が、地上へ出、外へ姿を現し、下界を『冥府』へと変える。
迷宮とは…ダンジョンとは…元々そういうものだ。その為だけに作られた。←2035~2039ページ参照
全ての階層のモンスター、階層主、黒いモンスターまでその全てが同時にこの世へ解き放たれる」
フィン「神の力があれば事足りるのでは?」
ケイト「そんな生易しい次元じゃない。
その時点で、迷宮は…『神の力』を逸脱する力を発揮する」
