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Unlimited【ダンまち】

第12章 手伝いと修業





執務室にて


リヴェリア「下では騒がしくやっているようだな」

フィン「ああ、そうだね。

きっとケイトは…それまで気苦労が絶えなかったんだろう。
されてきた嫌なことに対して、記憶喪失になるまで心を殺して我慢してきた。

それがやっと吐き出せるようになって、それと同時に整理も付けられるようになった。
それまで心を無にして受け入れてきた分、心を取り戻した今になってツケが来た。

憎しみに飲まれそうになる自分と戦って、周りに迷惑をかけないようにと気にしだした。
彼女はきっと、気にし過ぎていたことに気付けていなかったんだろう」

リヴェリア「私達もいるというのにな」溜息

フィン「もう少し早く出会っていれば、また違う形も取れたかもしれないね。

でも…ああでなければ、きっと納得しなかっただろう。
身を持って味合わない限りはね^^」くす

ガレス「よもや殴られるなど当の本人は思いもしなかったろうがな。
元よりここには騒々しい者が多い、くよくよさせてもくれんじゃろ」にや

リヴェリア「…そうだな」微笑

フィン「もしまたやっても殴られるとわかってくれたはずだ。

さて…例の件は余程のことがない限りはばらさない。
ばらすとしても他には漏らさないよう口止めする。いいね?」

リヴェリア「ああ」

ガレス「わかった」

さて、ケイトの出自の件はこれで口止めできた。


が…ケイトが言うには自分の魔力に浄化の性質があるという。

それもおそらく、ゼウスが先祖に居ることによる弊害かな。
恐らく、魔力を刃に宿せば魔法を斬れると言っていたのは魔力の密度によるものか。


これが裏目に出なければいいんだけど…

そう一抹の不安が一瞬よぎる中、仕事についての話へと戻された。



あの当時、もっと深く考えていれば気付けていたかもしれない。

いずれ降りかかる呪詛との相性も、解呪薬の必要性も…


遠征の終盤になって、「考え付けなかったこと」を死ぬほど後悔することになるなんて…当時の僕は、思いもしなかった。

ケイトなら大丈夫だろうというそれが、過信だとも気付かずに――


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