第70章 新天地
そう笑い合ってから、神官は言葉を続けた。
神官「彼女は言った。
「ただ独房に閉じ込められ続けるのが償いか?
そのまま言われるがままに動いて償いか?
違うだろ!
本当に殺された子や妻や、これまで死なせてしまった命を想うのなら!
その人達が生まれ変わってくる時までに、文明がより良く発展するよう努めるのが一番の償いとなるんじゃないのか!?
一番、その人達の為になるのはどちらだ!!?
てめえの人生!
ただの自己満足で終えるつもりかよ!!
てめえのこれまで培い続けてきた技術まで!お前の手で終わらせるつもりか!!?
ちったあ、本気で償いたいなら!!働かせてくれぐらい言ってみろよ!(ぐいっ!!)←胸倉をつかみ引き寄せる
一生何をしてでも力になってみせると!
たとえ(生まれ変わって)私がしたことを忘れられていたとしても!!
その文明を!他でもない私が生み出してみせると!!その力になってみせるとっ!!!(わなわな震え)
そう言い切るぐらいの気概見せてみやがれ!!!!」涙
その熱弁に、説得に、ついぞ折れた」
「研究職に就いたんだよね!
それからあっという間に次々発展に繋がっていった!」
神官「頷)
彼女は…どちらが『一番の償い』になるかわかっていた。←神像を見やる
だからこそ、正道に導こうと、人道へ引き戻そうと、躍起になった。
自己満足で己を戒め、厳しく当たるのではなく…真に、償いとなる道を……
その結果が己の誇りとなり、自信となり、証明となり、皆の為になる。その道を…
己だけのことを考えていれば…
自分は神の力で何でも出来るからそんなのしなくていいよ、で終わる。
真に人を考える『優しさ』とは…必ず、『行動を伴うもの』だ。
だが…救おうとすれば、必ず救えてしまっていたから…
全て救えると…そう、思いたかったのだろう…
無茶をして、無理をして、体を壊すまで…救おうとして、救えなかった……
その魂に、その存在に、涙した………」
「へー、そんな人いたんだ」
神官「後にも先にも…救えないのは、その魂だけだろうがな…
(神石の未来予知でもそうだったようだし…)
いいか?
誠意も真実味も持たない「口先だけの心配」を、優しさとはかるな。
優しさは、「口先だけの言葉」でなく、『行動』で語れ」
「はい!!」気を付け