第70章 新天地
代々孤児の各部屋リーダーは同部屋の子供全ての適性把握、皆を各個人の意思を尊重しつつ正しく導く役割を担っていくこととなる…
その適性がある子がリーダーとされている。
その経験は、仕事についてからも非常に役立っているとのことだ。
そのことから、学舎に通う孤児達は学生寮に住まうのではなく、神殿に住むことを選んでいる。
共に共同生活をすることで協調性を育み、互いに合う人達との仲を育み、
そこでしか得られない時間、後に各個人を支えることになる想い出を作ろうと…
優しく包み入れ、自由を、個性を差別なく受け入れ、温かく見守り愛する大人達に囲まれ…
実家のような安心感を得ており、職場にもそこからでも通え、稼いだお金も自身の自由に出来、結婚して家庭を作り家を持つまで住んでいてもいいとされている。
シスターとなる人の中には子を宿せない人、子を亡くした人もおり、最早親の心中となっている。
いつでも…「おかえりなさい^^」と笑って出迎えてくれる。
なので、強大な心の支えとなっている。
膝の上に頭を乗せて泣き叫んでも、動じずに頭を撫で
抱き着いて泣き叫んでも、動じずにその背を抱き締めて撫で
泣き止むまでしっかりと話を聞き、頷き、傾聴し、聴き、一人一人丁寧に付き合ってくれる『母代わり』となっている。
共に笑い、共に泣き、共に前へ進んでゆく…心の支えと……
神殿長、神官(シスター込み)、文官は共通して
孤児となる経緯でのトラウマから泣き叫んで起きた子供の面倒も率先して見る。
その為…己の時間全てを子供達のペースや都合に合わせて行われることから、24時間働いているのも同じ。
個人の自由を捨て、孤児や国民、皆への献身に努めることを選んだものこそが『神職者』だ。
そんな敬虔な、懸命に子供達の為に努めてきたシスターに、子供達は言った…
「僕も文官になる!なってシスターを支える!」
「私は神官になる!」
「俺もお手伝いしたい!」
「いつもありがとう」
「大好きだよ」
「せーのっ!」
『僕達/私達/俺達のお母さん!^^』
「…ありがとう^^//(涙)
(この道を、進んでよかった…
暗闇しかなかった…差し伸べる手も光もない人生だった…
でも、この子達こそが光だと…今ではわかる」
そう悟り、これからも愛し続けてゆきたいと想い、誓ったという。