第70章 新天地
何故祈りや願い、神像について語っているかについては…理由がある。
ニュース(女性キャスター)『ここ、国立神殿では、神国コクーンの領主でもあり国王でもあるケイト・グレイロア・ディムナ。
彼女の神像が今日、完成されたばかりで、国民達も集い、大いに賑わいを見せております^^』
ケイト「!!!!!!!!??・・」
聞いていないから当然だろうが、驚きを隠せずに目を白黒させ、口をパクパクさせている。
更に、その像が神石の協力もあり全て神石製ということ、国を成り立たせるもう一柱にまでなっていることを知り、許容範囲を超えたのか…
ケイト「ええええええええ!!!??;
御馳走様、ありがとう!!」だっ!!
巨大な声をあげると共に、瞬間移動も忘れて血相を変えて走っていった…
フィン「知ったらやると思ったよ…^^;」
既に食べ終えており、後は会計だけだった為…手っ取り早く終わらせて瞬間移動で神殿へ移動した。
ケイトはどうも冷静でなくなると暴走しやすい気がする…
まあ僕が傍についていれば大体何とかなるから別にいいか…
そう苦笑交じりに溜息を零しながら考え、僕は神殿の中の周りを見渡した。
国立神殿…
煌びやかな装飾もなく、厳かな雰囲気を感じさせる建築様式。
だがそれに反して畏縮することも無く賑わっており、孤児の子供達が笑ってその場を追い掛け合う和やかな光景が拡がっていた。
まるで水の中のような光の入り方で、目に優しく、青暗い色をした壁がより一層水の中を連想させ、引き立てていた。
外界とは隔たれているかのような厳かさはそこから醸し出されるのだろう…
天井全体から、神殿全体へ余す所なく等しく180度降り注ぐように、薄明光線(天使の梯子)のような光の入り方をする。
更に、壁からは光は入ってこず、夜には昼と同じように発光し、逆に天井までしっかりと照らすのだという…
天上の外まで光が漏れ、建物全体を包み、夜もまた月のように優しい光で等しく、土砂降りの雨の中でも暗闇の中でも神殿の土地(11万平方m、敷地面積8万6千平方m、高さ300mの1階建て)も含め全てが足元から光る幻想的な光景が見える。
礼拝堂(3万9千平方m)以外は、半分(北側)は行き場のない人の為に開放し、もう半分(南側)は孤児とシスター達により賄われている。
避難所にもなり備蓄もある。