第70章 新天地
学舎以外でも喧嘩ルームが出来…それに約定を取り付けた。
力で解決した後は、そのままにさせないこと。
相手が「話し合いたくない」と言うならば、「話したくなれば教えてくれ」と言い残し、只管待つべし。
もし話し合いに応じれば、互いに折り合いのつく形を模索するべし。
共生、共存共栄、人の心を忘れるべからず。
忘れれば、弱肉強食の飢えた獣と変わらぬ。
忘れるなかれ。
といった形で固めた。
人のことをよく考える子だから致命的な間違いはしない。
踏みつけないように、人の足を踏まないように注意するのと同じ感覚でしている。
と、前世の父からジョットとは違うと言われたらしい。
踏みつけている内はさぞかし楽しいだろうね…
誰も責めないから。
だがケイトはもしあったら指摘して欲しいとばかり言い、努力を惜しまない。
が…自分(ケイト)に優しくしろ、という意見しか僕達は出さない。
責める以前に、己へ責め過ぎてしまう悪癖があるからだ。
それから…少しずつ、前を見れるようになってきている。
目に見えて…
もう、誰も哀しませない。
是が非でも生きる。生きて、皆と帰る。
敵でも、誰でも、関係ない!
居場所を守る為に、誰かの居場所を壊して、人の幸せを奪って、幸せだなんて笑えるか!思えてたまるか!!
君は…いつも、人の心に寄り添う。
される人に、する人に、殺そうとしてくる敵にまで…
心や感情は誰でもある、気持ちだってそうだ。
だから…絶対、共存できるように。
お互いありのままでぶつかり合えるように!
その魂の咆哮が、僕らを何度でも焦がす…
掻き立てる…(うずっ)
熱となって、上へ上へと『僕達を追い上げる風』となって、
気付けば言われるまでもなく、誰からともなく走り出していた。
その背を追って、追い付きたくて…
一人きりでも、理解されなくても、幾度でも立ち上がり、悪と罵られようとも貫き続ける、戦い続ける『不屈の闘志』に当てられて……
『その姿(英雄)』に、憧れて――
勇気ではなく、闘志なのだと思う。
人の気持ち、心を柔軟に受け入れ、譲歩する。
たとえ世界を滅する闇であっても、
ありのままでいられるよう中に取り込み、間違いに走らぬよう、
それ以外は全て自由のままに激情のまま荒れ狂う闇へ何も言わず、静かに寄り添い続ける。