第70章 新天地
治療場では全ての医療が完治に。
そして完治するまでは退院できないようになっていた。
治療に専念させること、休むこと、心身を安定させることが目的だ。
それに伴い、治療完了までの期間がより短くなっている。
アルツハイマー型認知症では治療総額、最大で30万円。
脳内で不足となっているアセチルコリン、その生成と分解のバランスが崩れ、少なくなったことが要因とされている。
なのでその組織を可能ならば治す。無理ならば組織を取り除き、必要となる組織を0から作り自家移植する。
30万円というのは、組織を自家移植した際の値段だ。
自家移植とは自分の細胞を元に作り出して移植すること。
よって血液型もHLAも合う為、拒絶反応も免疫反応での攻撃もなく、安全に元通りに過ごせることにメリットがある。
逆にデメリットがあるとすれば、培養する際に遺伝子配列に問題が発生することだが、それも発生しないよう徹底することで防いでいる。
HLAとは全ての細胞と体液同士の相性のことを示す。
勿論そこには免疫細胞も該当されており、自身の免疫細胞が移植された細胞に対し攻撃することを拒絶反応と呼ぶ。
パーキンソン病も脳内のドパミン不足、
ドパミンを生成する脳幹にある中脳の黒質に発生したレビー小体という変性した神経細胞による伴うドパミン不足が要因となるものが多く、
黒質が不全となった場合自家移植、中脳ではなく大脳に出来ればレビー小体型認知症にも繋がる危険性もあるので、レビー小体が発生しないよう対策を講じた。
白内障では水晶体の自家移植、そうなった原因の解明と再発防止。
緑内障の眼圧上昇による網膜剝離では、網膜の自家移植と、眼圧減少を妨げる要因の除去、
鼓膜がない場合も鼓膜の自家移植、骨がないなら自家移植、筋肉や神経も同様に異常のあるものを除去すると共に自家移植させることが多い。
まず再生医療(2044ページ参照)から発展し、ありとあらゆる組織が0から生成されるようになった。
ただし命までは産み出さないようにしている。
僅か数分で欠けていた組織を生成。
腕、足、臓器、神経、骨、筋肉、組織、ありとあらゆる細胞も生成できる。
そしてそれを接合する際に魔法を使い、神経も筋肉も何もかも元通りに繋がった。
先天性で持たずに産まれたものでも、同様に元からあったかのように繋がるのが特徴だ。