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Unlimited【ダンまち】

第70章 新天地





大丈夫…ちゃんと振り切れている。

そう感じると同時に、自然と笑みが零れ出た。
そんな僕の心境を知ってか知らずか、ケイトもまた笑っていた。


前に進む為、踏ん切りを付ける為、欠かしてはいけない大事な根幹に触れ、理解できた。

その時だからこそ、予期できたのかもしれない…



最大の『傷』、人の苦痛を嫌がる『根幹』を――



延々され続けてくれば、
ずっとそんなことを、理解も得られないままされ続けて、『傷』の存在さえ否定されれば…

さぞかし、辛かったろう…苦しかったろう。


だからケイトは、こう言った…

「彼のことは、悪いとも、いいとも、言わないようにしたい。
それが一番いい」と…



いい所があると言われれば、傷を与えられた人は何故自分には向けなかったのかと、『傷』に障る。

悪い所があると言われても、いいことをされた人ならば何故いいと思わないと怒り、嫌悪感を抱く。


いいとも悪いとも言わない方が、どちらにとっても差し障りなく済み、心も『傷』も双方痛まずに済む。



結局…双方にとっていい結果となるように…

そればかりを考えていた…


気兼ねせずに済むよう、幸せを堪能することに専念できるよう、
後々大きなひずみを呼び起こさないよう、災禍と発展しないよう…

向こうだけが得をする形はとらないように配慮しながら…



ケイト「神様…頑張ってくれてたのに、気付けなくてごめんね。
無限大も、既に試した後だってことまでは…知らなかった。

フィンも…ごめんね……


でもやっぱり、こういう反応をしてくれるって言うか…

ぶつける好意に、真っ直ぐ応えてくれるフィンだから…好きになった。
馬鹿げた言動でも、一つ一つ、大事にしてくれている…
それを、感じることが出来る人だから…」

フィン「こんなことでよければいつだってするよ?」くす

ケイト「うん…今後もお願い^^


私にも…ごめんね。

私の傷が…私を理解して、認知して、と悲鳴を上げていたこと、気付けなかった…

「もっと酷いことをしている。されている。
気付け、気付いてくれ…

そこじゃない!」と。


彼の傷付ける愚行だけじゃない…
周囲も一緒になって「いい人」と、傷付けられた人へ更に傷を抉る愚行を…
それを止めないこともまた、罪…災禍を呼ぶ…

難しいな…人って。本当…奥深く根深い」


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