第11章 雪と真相
ケイト『ごめん…迷惑なのはわかってる。この行動が迷惑になることも…承知の上だ。
また…全部失うのだけは……嫌なんだ。
私は…ロキ・ファミリアの誰も死なせたくないんだよ。
皆が…大好きだから……もっと、たくさん…皆と、笑っていたいから』
縋るように肩を落とし、涙をぼろぼろと零した。
吐くに吐き出せなかった恐怖が、不安が…爆発したかのように涙を流し、止めどなく泣いていた。
その様子は、治療院に訪れる人達が見せる表情だった。
彼女はきっと…失った側の存在だと、その時に気付いた。
ぎゅっ!!
その震える拳を、アミッドは優しく両手で包み込んだ。
アミッド『頼まれなくても救います。それが、私の仕事ですから』
ケイト『!…(うるっ)
ありがとう…ありがとうっ』
震えながら泣きじゃくる彼女の頭をアミッドは一回だけ撫で、箱をカウンターの中へ入れた。
ケイト『…でも、預かり依頼ってことは必要だよね?
私が個人で出す依頼だから、報酬はえっと…』
アミッド『言われなくても出しますよ。ロキ・ファミリアに』
ケイト『い!?;』
アミッド『わざわざ『大声』で叫んで、あんなに目立つことまでして頼み込んだんですから。それくらいはいいですよね?^^』
ゴゴゴゴゴゴと後ろに黒いオーラを出しながら逆襲とばかりに言われた。
ケイト『たじっ)は…はい;』渋々頷く
アミッド『私からの依頼ということで『今日中』に申し込んでおきますからね』にっこり
ケイト『…
(フィンも大概だけどアミッドも大概だよね。小人族って皆そうなのかな?;(汗』ちらっ
アミッド『何か思いましたか?^^』にっこり
ケイト『いえ、何も。ありがとうという感謝だけです^^;』引きつり笑い
その後…フィンによると、ロキ・ファミリアの悪評は身を潜めることになったらしい。
ロキ・ファミリアの中でもああいう奴って言うんだなという目が集まり
緊急馬車の件を考案して実行に移したのも相まって、好評を集めつつあったそうだ。