• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第69章 文明開化





ケイト「ぁぁぁぁ~~~~っぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁっ;;」

未だ咽び泣き、しゃっくりをあげながら悲痛な泣き声をあげ、僕の懐に顔を埋める。

何度も何度も頭を撫で、背を撫で、何も言わずに寄り添い続けた。


その折に伝わってくる想いは、どれもこれもが悲痛なものばかりで…


誰もいなかった…
前世、前々世、押し付けられて、自分を求める人等、誰一人としていない…

誰もいない…


丸まってえんえんと泣きじゃくり続け、気が済むまで泣いてから、声をあげるのをピタリとやめた。

フィン「?…大丈夫か?;」たらたら

ケイト「ぐすっ、ずびっ、ずずずずずずっ!」

鼻水をすすり、残った鼻水をタオルで乱暴に擦って拭い、拭き取った。
それから涙を手で乱暴に拭い、未だ涙が瞬きと共に落ちていくのも構わず強引に拭っていった。

落ち着いたのは…急な号泣から実に5分経った頃だった。


泣きたいだけ泣き続けて、やっと満足したらしい。



同じ境遇者として重ねてしまう。
同じ仕打ちを受けていれば、他人とは思えない。

だから人一倍、その痛みを強く感じてしまう。
誰からも助けられなかったからこそ、反射的に助けようとしてしまう。
力尽くで解決と称して、強いられる立場に共感し、味方になろうとしてしまうのだろう。

だからこそ共存共栄、共生し合い、譲歩し合う、互いにありのままでいられる関係を築こうと『頑な』なのだ。

そこに、にべも蓋もないほど、取り付く島がないのもやむを得ない。


受けてきた仕打ち、経験、年数、思い入れ、重みのどれもが違うのだから。

だからこそ彼の存在自体が癇に触り、見ただけで吐き気を催すほどに嫌うのだと思う。



フィン(一番引きずっているのは君じゃ…?)

少し思ったが、引きずっているのは実父といじめっ子の件であって、彼ではない。
とのこと…

まあショックだったことはショックだったらしいが…;


現に思い返されるのは…それまで話したくとも言えなかったこと。
長年(リアルでは24年)にも渡る感情の奔流であって、言葉に起こせないほど濃密なものだと言われた。

それは寄り添っていて深く感じたが…


何も言わずにボロボロと泣かれると、こちらとしたらどうしたらいいかわからない…;

それでまた同じことが起こった時どう対処すればいいか、お互い話し合った結果…


/ 5286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp