第69章 文明開化
寝耳に水の情報に、皆が皆瞠目していた…
お前の夢は私が継ぐ。日本で平和に暮らせ。
最後にそう伝えながら背を向けた。
それに初代とそれに賛同していた4人の幹部は押し黙ったまま…
そのやり取りを見て…初代の命令にも何か策があるのだろうと信じていた、かつて初代派だった自警団全員が離反を決断した。
マフィアから罠に嵌められたのだと必死に諭すも
仲間も殺されたことで出来た傷も、その溝も、決して埋まること等なく…
初代のもとで自警団として纏まることは不可能だった。
仲間は皆、初代の敵として立ち上がった…
生き残りを集めろ!と着いた直後に叫び
今も涙ながらに深緑色の風の炎で全てを出し尽くしてでも治し続けようと奔走するケイトを、覆うように…
散っていった仲間、一人一人を、住み着いていた子犬にまで涙を流す彼女(ケイト)を見て…
俺達の為に泣いてくれている、それだけで理由は十分だと言わんがばかりに……
幹部以外の皆が皆、瓦礫の石などを持ち
「何が弱きものを守るだ!」
「私はお前の便利屋じゃない!
心がある!命がある!!」
「お前の気紛れで!使い捨ての道具みたいに利用するのはやめろ!!」
「出ていけ!」
「善人の皮を被った悪魔め!!」
「死んでもいい!投げろ!!俺達の想いをぶつけるんだ!!」
高らかに叫びながら手元にあるものを投げつけて追い出そうとしていた。
非難轟々、怒号轟々、全員が我先に叫び続け、幾千もの怒号と怨嗟の声が揃わぬまま一介の音として響き渡る。
ケイトはこの中でも必死に双方を風の炎で守り、初代はもう何も言わず日本へ向けて出ていった。
エレナが晴れの炎で何とか生かしていたお腹の子、それを皆に力を貸すよう懇願し、成長させ、救出に成功した…
その後、ケイトが昏睡状態に至った。ケイトもまた、妊娠したまま…
再三に渡る忠言…それを無視したのは他ならない初代で…
せめて2代目に譲る前にと、せめて試してからと
軽い気持ちで一石投じたつもりでした行動が、半壊を生じさせた。
初代が日本へ渡った後、自警団が3つのマフィアとボンゴレとして『血命同盟』という揺るぎない同盟を組み、結託し合い、初代以外の大事な人を多勢で協力し合い、皆殺しにした。
後に初代は自殺したと風の噂で聞いた。
一人の子がお腹の中で生き残っていたことは知られないまま…