第69章 文明開化
そう校長から結論付けられた。
正確には、一個人としての意見なのだろう…
水を打ったように、静まり返っていた。
ケイト「私は、私がいい人としたら、これまでのはなんだったのだと、怒りや憎しみに駆られるのがこわかった。
その先に待つ終焉を知るからこそ、自らをいい人と思わず相手をいい人と思うことこそが互いの為にもなると…
その方が、傷を、痛みを、苦しみを、より多く与えずに済むのだと…
でも、それはやめなければならない悪習だったのかな…?」
校長「幼き頃では無理もない。
が、やむべきではない。
己にもいい人と向けること、そこが足りておらぬだけのこと。
お主に足りぬのは…己への愛じゃ」
ケイト「…」俯
校長「言わせておけばいい、やらせておけばいい、その報いは必ず受ける。
あの世でもこの世でも形は違えども…
だから気に病むな、囚われるな、目先の出来事に縛られるな。
優し過ぎるものこそが損を見る。
そうでないものが、それを見て、そうでないように扱い、されるがままのそれを由とする。
それがいじめだ。
くよくよするな、前を向け、なすべきことをなせ。
大丈夫だ…」微笑
優しく、温かな眼差しが向けられた。
目を細め、愛しい存在を見るかのように…
温かな日差しのように見えるほど、錯覚するほど…
ケイト「セレネ…」ぽつり涙
実は校長は、セレネの生まれ変わりだった。
学舎の校長に指名した理由は、そこにあった。
この人ならば正しく皆を導けるだろうと…
ケイト「うん…大丈夫!」微笑真剣涙目
力強く頷いてみせた。
僕達へ見せていた空元気のものでもなく、そう信じて前に進もうという決意のそれだった。
ケイト「でもね…」
校長「む?」
ケイト「報いが行くのも嫌だ」
『!?;』
ケイト「痛みや苦しみでどうこうなる姿見たくないし、見えてない場所でもやだ。
痛いのも苦しいのも嫌だから、させたくない。
味わう人を見たくない、増やしていってそれをも笑うことが我慢ならない」
「愛のみって…」
「だから神々が病み付きになるんだよ…;」
校長「ふむ…気立てが優し過ぎるのも考え物だ;」
フィン「まあそこは本人の持ち味としておくとして…;」苦笑
ケイト「全員、出来る可能性は等しくあるのに勿体無い;」嘆息
どうしたものかな…^^;