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Unlimited【ダンまち】

第69章 文明開化





校長「勝手気ままに、自由に振るえば、滅びの道へ差し掛かる。

だからと言って、自由全てがいけないという訳ではない。
己だけでなく、人のことを考えろという意味だ。

己だけが、この世の全てではない。


己も、己以外も、全てあって初めて、世は回っておる。



相手のことを、自分と置き換えて考える。

自分と異なるものであると自覚する。

他の、己と異なる部分ごと慈しみ、愛する。

小さなことからでもよい。
されて嫌なことはせぬよう、考えを巡らせるのだ。


慈しみの心とは…他を救おうとする慈悲の心、他を愛する慈愛の心。

それこそが鞘となり、自制心となる」

「…」こくこく

その言葉に、子は二度頷いた。


校長「「もうどうだっていい」と暴走しそうに頭を抱え泣きじゃくるものがいれば…

悩みあるものがいれば手を差し伸べなさい。


哀しみに打ち震え、苦しみに慟哭するものがいれば、寄り添いなさい…

その心に痛み、寄り添い、思い遣れる人物となりなさい」

「はい!

…私は…胸を張れる、立派な人に、なってみせます!」

涙をボロボロと零しながら

されて嬉しいことをしよう。されて嫌なことは決してしない。
そう、心に誓ったらしい。


助けになろう。支えとなろう。

そういう文化として、神国民全てが守っている支え合い、助け合い、育み合いが受け継がれていった。



その日の晩のみ剣も共に居させられ、登校するまで寝食を共にする。
剣…刃も鞘に納まったまま共に…己の分身として。

そうして8歳になり登校した時に、校長先生へ剣を預けに行く。


しばしの別れの前の一時(ひととき)として、共に在るのだ…



正式な半成人は、7歳半と定められている。

その時に何があるかと言うと…
帯剣するに当たっての刃、その形状や反りを自ら考えて決め、提出するのだ。


実は7歳になったその日に、半年後に提出することを事前に伝達され
片刃にするか、諸刃にするか、逆刃にするか、反りはどれぐらいにするか、刃の形はどうするか、自由に選ばさられる。

「3か月以内に決めなさい」と伝達され、大人になった自分、成人した自分を思い描き
どう使うか、帯剣するに当たってどう役立たせるか、を自分一人で考えさせられる。

行き詰まれば相談してもよいとのことで、家族や友、先生方にまで相談する人もいる。


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