第69章 文明開化
己を犠牲にしてまで、人を大事にするな。
人を大事にする点はそのままに、若しくは大事にしなくていい点は気にせず、己を大事にしろ。
という話だった。
ケイト「神様…ありがとうございます」合掌
合掌し、教えてくれた神様に祈りを捧げた。
その幸せを願って…あの世でも、神界でも、幸せでいられるようにと…
愛してくれている神様に対し…私も、愛していると…
学ぶ機会をくれたこと、縁を結んでくれたこと、本当に感謝していると…
勝手に求めたくはないからと、そんな要求で神様を汚したくはないと…願いを込めずに、ただ一つの感謝を送り届けるように祈った。
憎んでしまった時もあるけれど…そのお陰で……今が、とても幸せだと…
だからありがとうと…愛していると…心から嬉しく思うと…‥
涙を双眸から流しながら、嬉しそうに微笑み、祈りを捧げていた。
白い光が見え、立ち昇る光景に…僕は微笑んだ。
あまりの美しさに目を細めながら、届いていると笑う神様の波動を受けて…
祈りながら微笑むケイトを見やりながら…‥
神様から変わらず誰しもに送られている白い光、愛と温もりに抱かれながら…
それをふいにするのはいつだって…愚かで、浅はかで、勝手な、人を不幸にしてまで己の幸を願い求める、穢れた人間だ。
神は――いつでも見ている
ケイト「^^//…ありがとうっ//」
幸せを願うのは実にいい。
だが…君はいつも、人のそれには「美しい^^」と喜ぶね…
自分には、当然のことと、厳しく律し続けるくせに…
実父やいじめっ子達に関しては、何もしなかった。
ああいう類の人間には、何もしないのが一番いい。刺激を与えず、悪事に走らない可能性は高まる。
たとえ事実を教えたり言った所で、「何もされてませんが?」「俺の為にわかるように動けや」と更に要求するだけだろう。
だからこそ何もせずに耐えてきた。
実父のそれも実母と姉を助けようとするだけで、他はなにも…
いじめっ子のそれも、自身がとった言動による不利益だし、言った所でやめさせる為の口実としか受け取らない、そればかりか激化し尚更に地獄落ちが顕著となり逆効果となるのが明白。
なので、本人の為にも、末路がより悲惨なものにならない為にも、何もしないことを選んだ。
己の為には決してならない、そんな独り善がりとして…