第69章 文明開化
猫の飼い方を尋ねてきたのは一人の精霊で…
ここで飼いたいのだが、どのようにすればいいのか悩んでいたようで…
そう助言していた。
守り動物に食べられないか、仲良く出来るか不安だったようだ…
のだが…
綺麗に話が流れていった。訳なのだが…
その在り方に関心を抱き、アルルェーチェ(精霊王)街でも同じ制度を取られるようになったらしい。
最初から既に取られていたが、守らぬ人もいるにはいるらしく、大変苦労していたらしい。
守らないのは基本旅人か商人…多分、人としての資質だろう。
個人的にそう在った方が楽、というのを取っていたらしい。
自由=犯罪やりたい放題な訳もないというのに…;
そう思案する中…
僕の隣にいたケイトは瞑目しており、昔の思い出が脳裏によぎった。
前々世
「ちっ、男か…
女なら嫁にやって勢力(権力)拡大に役立つというものを…」
規模を拡げられると考えてか…
さぞ忌々しそうに父が言い放った言葉はどこか刺々しかった。
まだ目が見えない中、不安のあまり私は泣き叫んでいた。
「これ以上王子が増えなければいいが…
次こそは女を産め。
よいな?」
赤子の頃…言われた言葉が脳裏から離れない。
前々世の赤子の頃の、遠い昔の話…
前世でこそ喜ばれたが…
武家の家を継がせる為、一家断絶させぬ為のものに過ぎなかった。
私は長男で…幾人も産まれていた男児は長生きせず、死んでしまったと聞いた。
大事に育てられ、若い竹のように育てと言い含められてきた。
あの死に方を、私は悔いなしと思った。
だが…肝心の妻と娘達を泣かせてしまった…お腹にいた子までをも残したまま…
その存在も知らぬまま……
不甲斐なし…!(ギリッ!)←歯噛み
力になることが出来ない。
今こそ私の力が必要な時だというのに…
それが余りにも歯がゆく、蘇りたいという想いに駆られた。
が…死人には正者に出来ること等、何一つとしてなかった…
見守ること以外…
悪霊や負の念から守り抜くこと以外は…
だから…前世の私(霊体)は主護霊となることに決めた。
私は…今世、初めて霊感を有していたこともあってか
悪いことをして、末路が悲惨なものになる光景を目の当たりにしていた。
ケイト「人の闇を見過ぎた……
何で、末路が変わってしまうのだろう?」