第69章 文明開化
ケイト「…ならないよ…」
フィン「!」瞠目
ケイト「…もう、しない。何よりそんなの誰も望まない」
寂しそうに微笑むケイトに、僕は察した…
いや、わかってしまった……
本当は…例の魂が1つだけでもなんとかならないかと、そうしていたことが。
フィン「……君は…本当に、人を見捨てられない人だね…
だからこそ、か…」瞑目
ケイト「あ、あはは…^^;
バレちゃった?;」
フィン「バレバレだよ;」瞑目苦笑嘆息
なるほど…
ようやく、合点がいった…
何故、この世界も含め3つだけ全てが消えずに済んだのか…
それはギリギリまで検討してくれたお陰だったのだ。ケイトが、滅神へ…
無理をし過ぎた結果…壊れた魂(ケイト)もあった……
敢闘賞として、目溢ししてもらったのだろう。
あわよくば改心した彼の魂のみ助けられないかと必死に懇願し続けてまで……
だが結果は同じ…
お目溢しは出来ない。出来るはずもない…見逃した時点で、全ての世界の消滅の危機に直結してしまうのだから。
甘過ぎる……
魔術式を使って、犯罪をした例の男、ラトバリタも…←1765ページ参照
魔術式をこれだけ網羅できるのだから、と…勤め先を紹介までする始末。
そのお陰で、「『悪用防止機能』が無ければ発動しないよう全ての魔術式に組み込む」という成果が得られた訳だが…
神に至ったものでも影響が出る分、余計危ないというのに…
ケイト「……もう…自分には、嘘をつかない。
言ったでしょ?
だから…誰であっても、最後の最後まで見捨てない。
本当に消えなきゃならないその時まで、消えるその時まで…ずっと。
それが…私の意志だ」真剣
フィン「…そうか」やれやれ嘆息&肩すくめ
頑として変わらぬその姿勢に、僕は感嘆すると共に嘆息を零した。
ケイト「…ごめんね……心配かけっぱなしで…
本当なら…考えなしに一直線出来ればいいんだけれど……
物事はそう単純でもないし、簡単でもないし…どちらかしか取れないこともある……
私は…自分も大事にする。
その上で、私の選んだ道を、貫き通していたい…
見捨てない、守る、その対象に、自分も含めた上で…
………ダメ?」
フィン「……いいや…ダメじゃないよ。
ただ…無理だけはしないでくれ…
そうして死んでいく真似だけは…二度と」