第69章 文明開化
フィン「…そうだね…済まない」頭下げる
ケイト「……ううん…
こっちこそ、意地悪な言い方をして、ごめんなさい」頭下げる
フィン「いや…悪いのは僕の方だ。
変に思い込んでしまっていた。
逃げ出さなければならないほど、限界だと思える何か(騒動)があったのだとばかり…」
ケイト「…第3王子がいたから、まだ耐えられたんだよ。
もう…限界だったんだ。
心も、体も、全部が…悲鳴を上げていた。
ここではないどこかに、隠居した身として行きたかった…
王とか、身分にとらわれず…自由に、生きたかった…生きて、みたかったんだ……
今世の環境に私が耐えられたのは…
きっと、前々世での家庭環境の経験のお陰だと思う。
前世では家族に恵まれ過ぎて…今世がウルトラスペシャルエンドレス地獄だったんだろうね…」遠い目
フィン「……今は恵まれて…?」
ケイト「いる!勿論!」深く頷く瞑目
何言ってんだとでも言いたげに頷かれたが…
それ故の、人にばかり合わせようと相手ファーストする心遣いだろう
と、眉を顰めた。
ケイト「でもその経験があったからこそ、そう在ることの浅はかさを知れたというか…
罪深さを見れたし…私の為の世界ではなく、相手全員の為の世界でそこに私は…………
含まれていると、最近になってから知ったけれども…;」視線逸らし
フィン「…そう思い至れるようになれただけ、とても助かるよ。
それさえも叶わなかったからね…
これまでの君のままでは」暗澹&嘆息←俯き目を下に向ける
ケイト「へ?」
フィン「……散々…神々でも救えない人を、救うことに躍起になっていただろう?
君一人だけの責任ではないだろうに…実父の件でも、例の件でも、かなり引きずり回されて……
精神が死んだ世界もあった……その記憶が、僕にはある…
だから…正直…(すっ)←視線を上げケイトへ向ける
君の様子は、見ていられなかった」
ケイト「……」
フィン「……」
ケイト「………私も…‥記憶、ちゃんと残ってるよ…
他の皆は、全部消されたみたいだけれど…
私はちゃんと…残っている」
フィン「……ああ…僕もさ。
だからこそ思うんだ…
また似た存在が現れれば、君は迷いなく…救おうと奮闘するのではないかと…
また…自らの精神を死に追いやってでも助けようとするのではないのだろうか、と…」