第68章 騒動
取るに足らないことと扱われた。
父は、簡単に切り捨てた。
虫も殺せない素直で優しい子だという理由で
兵法や勉学は出来ても、動物も人も切り捨てることが出来ないと…
唯一の両親との繋がりであった王族という証を奪って、消してまで…
蔑ろにされ続けた心が、悲鳴をあげていた。
セレネ「王族でも、聖職者でも、平民でも…変わりありません。
生き、必ず死にます。
生あるものは全て、等しく死にます。
王族とは、あなたと両親を結び付ける絆だったかもしれない…
だけれど…だからと言って、そこに固執することはありません。
大局を見なさい――」
そう諭されるまで…かなり荒れていた。
手伝った時←2737ページ参照
手伝いを憚られた当時とは違うのだなと…嬉しくもあった。
「そうか…
もう、手伝うことを憚られることはないのだな」微笑
12の時に爺と再会し
「大きくなられて。立派な聖職者になりましたな」と称賛された。
誕生日だけは帰ることを許された。
15の時に成人した。
誕生日から程無くして爺やを亡くし
その数か月後にセレネを、お父さんを亡くした。
私に残る、心を許せる人達は…乳母と第3王子(兄上)のみとなった。
16の時に大戦があった。
その際、島民500名の兵を率いる『将』とさせられ、初陣を果たす。
押され気味の本軍を支援する為、独断で敵軍を側面から攻撃。
2人で組み、互いに補い合うよう指示。生き残ることを優先するよう申し付け、前線に立って突っ込んでいった。
一人も欠かさず生きて帰るぞ!誰も殺すな!深追いはするな!と。
戦も終盤に差し掛かった頃、本軍が到着と共に分布、配置して本格的に攻撃が激化していく。
戦に不慣れな自軍は邪魔となる為、戦に慣れた本軍が動きやすいよう=動きを滞らせない為、動きが滞れば死に直結するので退却。
本軍に手柄を持たせつつ、被害も本軍も自軍も双方少なくなり、敵軍は渓谷から細長く必死に退却する外ない。
結果、大勝利を納め、自軍500名の内、2名の死者、1名の重傷者(後に回復)で大戦は終わる。
大戦も収束した後、本島の例の館にいる中…国王から呼び出しがかかり招集される。
招集された謁見の間には国王の他に、大臣、第1~3王子がいた。
他の3人の王女は嫁に行くなりお茶会なりでいない。
国王と相対し、膝をついた。