第68章 騒動
4と7という数字が嫌いになったきっかけだった。
5歳頃、仕事を手伝おうとした…
「爺や…
手伝ってはならぬのか?」
「なりません、坊ちゃま。
これは私の仕事でございます、取り上げてはなりません」
「余に出来ることはないのか?」
「そうですねえ…
では…安心して、見守っていて下さい^^」
乳母や爺やに面倒を見られ
王族としての教養、護身術、立ち振る舞い、必要となる全てを身に付けさせられた。
『真面目で素直な優しい子でございます。
どうか、どうか是非一度お目通りを』
『ならん、監視を続けよ』
爺やからの手紙に対し、王からの返事は変わらずだった。
だが第3王子だけは…境遇と狙いを知っていてか、不憫に思い何かと気に掛け、忙しいだろうに合間を縫って会いに来て下さった。
年に数回なれど、非常に喜ばしかった。
誰一人として…血の繋がりのあるものは来ないから。
8歳の誕生日…
「父上と母上は、私のことをお忘れになられたのだろうか?」
「そんなことはありません!
そんな馬鹿なことは!!
坊ちゃま、王様と王妃様はお忙しいだけで存じます」
「だがここに来たのは第3王子のみ!
他は全て…全てッ!!」ギリッ!
「!
(聡明な子だ…
寄ってくるのが全て利用しようとする貴族だと目利きが身に付いている)
私がおります…いつでも、いかなる時でも…傍に馳せ参じましょう」
「爺っ…」涙目
「さ、涙を拭いて食事になさいましょう。
今日はあなたの誕生日なのですから^^」にっこり
「…//
うむ」微笑&頷
爺やの裾を掴み、政敵だらけの戦場を何とか凌いだ。
「爺」
「はいはい坊ちゃま」
「いつも…ありがとう」
「!…いえ…こちらこそでございます。気に掛けて下さり嬉しゅう存じます」
「爺…」
「何ですかな?」
「…余を、名で呼んではくれないか?」縋るような眼差し
「それはなりません!恐れ多ございます!;」平服
「……爺…頼むっ」縋るような、今にも泣き出しそうな顔
「っ…
(これ以上断るのも酷というもの…
しかし、一体どうすれば喜んで下さるだろうか…
!)←名案が浮かび瞠目する
坊ちゃま…」綻びた表情と眼差しを向ける
「?」
「あなたのことを、ずっと坊ちゃまと呼んでいましたね?外でも内でも」
「…うむ」寂しそうに頷き、再び俯く