第68章 騒動

ケイト「……」

フィン「…はっきり言って、さっき言い上げた人達は怠慢だ。
人を痛め付けることでしか、自分が生きやすくすることでしか、他を求められない。

君は、そんな人間とは違う。


だから…いい人ではないと気負う必要はない。
完璧を求め過ぎるあまり、完全ないい人ではない等と考えることも無い。
自分の中の思いに、感情に、考えに、否定的になることもないんだ。

たとえどれほどの思いを抱いていた所で…君は、人の不幸を願ったり、動くことさえ出来ないのだから」

ケイト「………ん…」頷く渋々


フィン「……少しは自分に優しく出来ないのか？」

ケイト「…わかんない……

優しくって…何？」


マヤ「自分そのものを受け入れる所からだよ。
感じる全て、考える全て、思う全て、何もかも…全てだ。

その上で…捉え方はそのまま、ありのままを受け入れる在り方のままで、真っ直ぐ向かい合えばいい。
これまで通り、別個の人間として、相手との違いを全て受け入れた上でね…

あんたは弱い人間じゃない。クズじゃない。そこだけは誇りな！


自信を持て！！」真剣

そう叫ばれてから、精霊王を引きずって去っていった。

その後ろに精霊や守り人達がついていく中

「信じろよ、自分を」
「俺達もな」
「勿体ねえぞ！」
「勿体ねえことすんなよ！？」
「馬鹿はほっとけ！死んでも治らん！」
等々の言葉を向けられ、一様に頭を撫でられ、抱き締められ、次々に一人一人去っていった。


その温かみに涙するケイトに…


フィン「…僕の言いたいことは…わかるね？」

ケイト「……うんっ；
ぐすっ←涙

ありがとう…」


フィン「自分一人の為となったら、動けないのが君だからね^^；」

ケイト「そこは流石にぶれないよ；」

フィン「だから…僕が動くまでだ」微笑

ケイト「……////

ありがとうっ//←もじもじ


でもね…何度もギャイギャイ言ってくる人達にね、酷いこと思ってたりもするんだよ？
私」

フィン「うん？

それは初耳だね…
どんなことを思っていたのか聞かせてもらっても？」
ケイト「勿論！」深々頷く


それから聞かされた言葉は…

いつものケイトからは想像もつかないものだった。


いい人と言い切れない、とするに値するものなのかどうかはさておき…しなければ死んでいたのはまず間違いない。