第68章 騒動
フィン「ケイト…
僕は…君が、自分がわからなくなるのも仕方ないと思っている。
自由意思を奪われ、操り人形のように動くこと以外を全て拒まれ、生き続けてきた。
その内、本当に自分がどこまでなのかわからなくなってしまったのか…」
ケイト「自分の意思など…誰も求めないっ!」涙
フィン「求めている人は今!いるだろう!?
もうここにいるだろう…」
ケイト「……」
精霊王「動物的になったのではなく、そうならざるを得なかった…
だが、接点を持たない人間では気付きようがない」
フィン「何でもかんでも自分にとって「のみ」完璧にとか。
人にとってのみであって、本人からすれば「自分の為」でしかない。
「自分が嫌な思いをしない為」に、「自分にとってのみの完璧を演じろ」と人へ求めるのは、大概の人間がそうだ。
そういう嫌だと感じる悪感情を与えられたくないってものばかりで、与えられているとしか捉えず、
認識の仕方を変えようとか、別個の人間なんだから仕方ないとか、捉えようと努力しない人の方が圧倒的に多い。
自分が変わるより人を変えた方が楽だし簡単だから、努力しなくて済むから、やりたいことのみに専念出来るから、何でもかんでも人のせいにする輩が非常に多いんだよ。
そしてその結果、当たり散らしたり好き放題してでも『人を』捻じ曲げようとする輩が非常に多くなる。
それも徒党を組んで、助けも一切入らないようにした上でね。
だからいじめっ子も卑怯者、挙って地獄落ちなんだろう。
他をかえりみない、己もかえりみない。
わかった風に言うことで扇動して責任を最後まで取らない、あるとも思わない。
それが醜い人間だ。
君が醜い人間なら、もっと醜い存在で溢れ過ぎている。
君は変えさせられた、人の人生とされた、捻じ曲げられた。
好き放題にされ続け、求められ続け、優し過ぎるからそれに合わせようとした。
そしてそれをいくら酷使してやり続けたとしても、何か不利益が生じれば罰が当たったなどと追い詰め続ける馬鹿しかいない。
他人へは死以外求めないし認めない。
そういう馬鹿にいくら合わせた所で無駄というもの、最悪死ぬまでいいように利用されて終わりだ。
だから…そういうことをした側が地獄へ落ちる。
被害者意識でしか他人をとらえられない人間が、人を捻じ曲げることでしか生きられない人間が、ね」嘆息