第68章 騒動
ケイト「私はいい人じゃない!!!!!」
瞑目し、その悲鳴のような叫びは耳朶を震わせ、森中に響き渡った。
フィン「!」瞠目
ケイト「私は…私は!
ずっと、自分を殺してきた!
黙って、消して、押し潰して!
そうしてでも守ろうとした!!守りたかった!!!
同じような(同じように苦しむ)人なんて見たくないって…!!(ギリッ!)←歯噛みし瞑目する
私はずっと、私なんかじゃない!!!!
ずっと!!
(実父に高圧的に叫ばれ殴られる)
ずっと!!!
(実母に黙らさせられヒステリックに叫ばれ続ける)
ずっと!!!!!
(姉が器用に立ち回り逃げ続ける中、助けられずにいた)
あの時だって!!
(育ての父母と妹を殺された時の胸中が蘇る)
いつだって!!!
(アンタレスを消した時)
殺したくて殺したくて堪んない自分がいるんだよ!!!!
私は…お前が思ってるような善人なんかじゃない!!!
私が私を救う?そんなの無理に決まってる!!!!
もし救えるんならとっくの昔に救ってる!!!!!
こんな、私に、価値?そんなんある訳ないだろ!!!!!」
フィン「そんなこと
ケイト「私はずっとっ!←涙目
私を殺して!私を誤魔化して!
自分に嘘をついてでも!捻じ伏せてでも!捻じ曲げてきた人間だ!!!
自由なんてなかった!!
全部全部消して壊して自分なんて感情も心も何もかもを殺してきた!!!
私の本質なんかわかるものか!!
フィン「ふざけるな!!!!!!!!」
キーン…
ケイトの左耳へ全力で叫んだ。
同じく森中に響き渡るそれに…ぐらつくケイトの両肩を掴み、左耳へ叫び続けた。
ケイト(鼓膜が…破れそう…;)ぐるぐる←目を回している
フィン「君が誤魔化したのは何の為だ!!!?
殺さない!!?壊せない!!?当然だろう!!!!
大本を見ろ!!!!
出来るものなら今ここでやってみろ!!!!何でもいい!!!」
ケイト「ビクッ!!)ひっ」真っ青←やろうとした瞬間、震えと共に力が抜けて動けなくなる
フィン「動けないだろう!!!?
暴言だって吐けないだろう!!!?
君はそれ(『殺すこと』『傷付けること』)に怯える人間だ!!!!
しようと動くことにすら耐えられないだろう!!!!?
傷だらけでボロボロにされようが君はしない!!『人を見れない人間』じゃないだろう!!!!!」