第68章 騒動
フィン「………それは…死ぬよりも…消えるよりも、難しいことだ」
ケイト「うん…知っている。
まず…理解もされない。
歩み寄られもしない…
奇異な目で見られることは、まず間違いないだろう。
でも…誰かがやらなきゃ、何も変えられない……
だから…この国を作った。
苦しみは誰にでもある、ただその種類が人やその環境に応じて違うだけ。されてきたからこその経験、それ故の思い入れで、深さも重さも異なるだけ。
私は…理解者や聞いてくれる人に恵まれなかった。否定したり、傷付ける人以外、いやしなかった…
少なくとも…誰一人としていない現状が…全てが、私一人を束になって傷付け続けてきているも同意義だった」天を仰ぐ
フィン「……」瞠目
ケイト「……
…(はっ!)←フィンの双眸を見やり、少し瞠目
(ふっ)←微笑む
^^」にっこり
フィン「!!」
大丈夫、そう言うかのように笑ってきた。
だが…それは、悲鳴でしかない。
我慢して、耐えて、『大丈夫だよ、安心して――』
…そう、偽りの表情(もの)を向けてでも…守りたいと……
ケイト「でも…今となっては、大事な経験だと思える。
神様は…
その中ででも、そんな渦中でも…『自分を大事に出来る人』であれと、教えたかったんだね……
自分さえも、味方でなくなれば…自分が、死んでしまう…
感情も、心も、自分の中の全てまでもが悪いものだと思い込んでいた。
それさえなければ…いじめも、DVも、傷付ける言動も、実父から殺されかけることも……何もかも……
好転すると…信じたかったんだ……
奴隷にさえなれば…自分というものさえ無くせば……消えてしまえば…誰もが笑って、喜ぶだろうって^^
でも…違った……
そこだけは…守ってやれって…‥
私……肝心な所で…間違ってたな…
私がその時、どう考えて言動を取ったかのだって…
都合のいいように、人の勝手な考えで、想像で、『どう考えての言動か』という事実さえも捻じ曲げられる。
当時のそれは、害意あってのものではない。その事実は決して汚されはしないというのに…醜いよ。人としての品性も、何もかもが…
私だけは…私の味方をしてやればいいのに……苦しみで、狂っていく。
それは省けはしない。無にならなきゃ負の連鎖も無くならない。
心掛けだけじゃ、0にはなり得ない」