第68章 騒動
7歳の夏休みにはスカートで階段を先に上らされ両手を腰で掴んで肛門を犯され泣き叫んでも止めてくれず、力の差を否応なしに叩き込まれた。暖かい液体が肛門から流し込まれ、カンチョウと言われ、その本当の意味も知らなかった。
実母がくれる人肌の「温もり」のみに救われていた状況だった。
いじめ以降…内外共に常にあり続けるそれに、心は疲弊し、感情は麻痺し、何も感じなくなっていった……
それが癒されたのは育ての父母と引き取られてから生まれた妹の存在もあってだろう…
だがそれも殺された。奪われたのだ…街の人達の陰謀、闇派閥(イヴィルス)によって…
後に…僕達に出会えたのは奇縁としか言いようがない……
ケイトは親しい人にしか甘えないし言わない。
加えて人のことはとやかく言わないし表立って責め立てない。なのに自分に厳しい。
その本来の在り方が揺らぐほど余裕を無くしていたのは明白。
愚痴も弱音も吐き出さない。
異常なんだ。
彼女という存在そのものが…
普通、あれほど潔白であろうとは思えない。
そこまで自身こそが敵だと戦えない…ましてや思えない。
お前は誰なんだ?と、そう問われてもおかしくないことをやっていた。
だというのに、本人は気付いていなかった。
今回気付けたことは非常に大きいとも思う。
だが…それでも、そう簡単には変えられない…
その異常さは、いつか足枷となる。
国同士の同盟を結ぶ際。
不理解を生み、様々な障壁となすだろう。
ケイト「人は…身分は…権力は…力は…そんなに大事だろうか?
いずれ奪われるのに、いずれ殺されるのに、いずれ死ぬのに…いずれ…いずれ…いずれ……
その中に…誰も、守ろうとする存在などいないのに……敬うことに…意味はあるのだろうか?
されて嫌だというのなら、しないし、ちゃんと敬うよ?
でも必要以上に持て囃すことに意味を見出せない。
役割が違うだけで、同じく生きて死ぬ人間だ。死なない人はいない。
だから…無いもの達への虐げや、侮蔑される意味が分からない。
守ってくれるのは人であり、自分だ。
だが…それを傷付けてくるのもまた、人であり、自分だ」真剣
フィン「人としての真理を突いてくるね…;」
ケイト「…私は…差別なく、全部を守れる存在で在りたい。苦しめられてきたからこそ…尚更」遠く睨視