第68章 騒動
ケイト「!!…あ。
頼れって…ことか」ぽつり
フィン「ゆっくり頷く)
…ああ(微笑)
君は…人を大事にしたいようだし、それが間違いだとは言わない。
だが…それまでの経験上、ろくな目に遭ってこなかったのはわかっているだろう?」
ケイト「……うん」
フィン「…一つ、教えておくよ。
自分の一番の理解者は、自分だけだ。
だからこそ…マヤは言ったんだろう。
『あんたの心は…あんたにしか救えないんだよ』と――」←3127ページ参照
ケイト「瞠目)!!
…だから」
フィン「頷)…
誰も…1人の時に守ってはくれない。
駆け付けられない時や場面だって必ずある。
だから、『自分で、自分の命を守り育てること』を一番に考えなければならない。
君の心に、誰かへ「縋りたい」「助けてもらいたい」と考える心がある限り、君はいつまでも「いい人」「いい環境」「いい何か」に恵まれることを探し続け、それに固執してしまう。
『甘ったれんじゃないよ。
もう――自分で立てるだろう?』←3121ページ参照
そう言った理由も、そこにあるんだろう…
人生に負けるな…苦痛に負けるな。
しゃんと立って、僕達の隣に立て…
何より――必ず生きて帰ってきてくれ」
ケイト「…っ(涙目震)
……(ぽとっ)
ごめん…」俯←足軽の時、殿を務めて殉職し帰られなかったことに涙する
フィン「…「頼るまでもなく頼られる存在で在りたい」というのが僕達の本音だ。
君は、人に頼れ。そして…違う自己を思う存分確立してくれ…
人の気持ちを第一に考える君のままでね…
そこが、君の新たな課題なんだろうと僕は思う」
ケイト「……
うん…
わかった!頑張る!」ぐっ!
素直過ぎるのも考え物だね…^^;
余りにも純粋過ぎるし…何より、間違ったことを教えてしまっていないか不安になる。
それが何より怖い…
だが…君は、それでも言うんだろうね……
ありがとうと――
僕のことを、直向きに信じて、疑うことも無く信じ切って…
フィン「…僕も…負けていられない」ぽつり
ケイト「?」首傾げ
フィン「…いや…独り言さ」天を仰ぐ
少しは…強くなれただろうか…
ただの力ではなく、神でもなく、人として――
ただ一人の…最愛の人を愛する、男として――
天界へいるだろう父母へ、想いを馳せた…