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Unlimited【ダンまち】

第68章 騒動





前へ進もう――…

そう、どこからか声が聞こえた…気がした。


俯いたまま地面を睨視し、拳を血が出るほど強く握り締めた後…

暗い表情から一転、さっと明るい顔をして
僕達へ左手を挙手し、挙げた手をそのまま左右に振り去っていった。



もう振り返らない…そう決断したようにも見えた。

もう二度と、繰り返させない――とも…


ようやく踏ん切りがついた、それが明確に見えた。
が…またぶり返せば体にまた悪影響が出るだろう。

しっかりとサポートしなければ、と心がジクリと痛んだ。



頼りになれる男でありたい…
甘えられる存在でありたい…
間違えばだれよりも早く叱ってやれる存在でありたい…

まだ…僕は、なりたい形すらも叶えられていない。


まだ――肝心の助けとなれていない

助けられたのも、心ばかりで…体を身を持って、張ってでも守れた試しがない。
その事実、現実が自信をガリガリと削っていった。



フィン「これからだ…これから……」

ぽつりと零した呟きに、神様は頷いた。

それを境に…神様は一時的な魂の繋がりを切ったようで、神様の声が聞こえなくなった。
どうやら…伝えたいことは全て伝え終えたらしい。


これからは…僕達で紡ぎ上げていくしかない……僕達の物語を…‥
どれほど辛く、苦しく、哀しい出来事が待ち受けていたとしても…

そう考えた瞬間、僕の前にケイトがやってきた。



ケイト「……フィン…遅くなってごめんね。

ありがとう、それと…沢山迷惑かけて、心配かけて……
あれこれ、一杯尽くしてくれて、考えてくれて…フィン以上に、大事に…してくれて……」

フィン「…お互い様だろう?
いつも君が、僕へしてくれたことだ。

君には…妊婦だというのにまた動かさせてしまった…
世界の闇、滅神の対応も……君一人に背負わせてしまった……

僕がしているのは…ほんの些細なことに過ぎない」肩すくめ&瞑目&自嘲混じりに嘲笑
ケイト「怒るよ?」黒睨視

フィン「……済まない…気に障ったかな……

でも…それぐらい、情けないことには違いないんだ。男としてね…
僕達は十二分に強くなった…その証明には、あれは十分だっただろう?」←3054~3061ページ参照

ケイト「…え?;わざわざガレスに聞きに行かせたのって…」

フィン「ああなることは目に見えていたからね…」くすり


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