第11章 雪と真相
『ケイトの将来が心配になってきた;)…;』
ティオネ「はあー;
あんたの将来が心配になってきたわ;」
ケイト「え?;何で?;」
ティオネ「愚突猛進…確かに、あんたの『勇気』は愚かよ。
どこまでも我がままで、自分の心も傷も身体さえも顧みてない。
だから私はあんたのその在り方が嫌いだった。他人主義にもほどがあるってね。
だってそうでしょ?あんたは、あんたを大切に想う人を傷付けてまでそれを貫く馬鹿だもの。
団長を死ぬほど心配させて、哀しませてまでね。
いい人だっていうのは、知ってるわよ?接してみてその接し方でね。
たとえ傷付けられるような言葉吐かれたって、あんたは甘んじてそれを受け入れるんでしょうね。
その人の基準からの思いだから、そう見えるから、その人にとってはそれだからって。
その在り方を否定すれば傷付いてしまう。勝手な評価で、先走りで、決め付けであんたが傷付いてきたように。
だから…あんたは街の人達を悪人だと決めつけず護ったんでしょう?
その為に走って、そうしてもなお傷付けられるとわかってても貫いたんでしょ?」
ケイト「……何でわかるの?;」
ティオネ「あんたの意図や話を聞いたら十分察せるわよ」溜息
足に片肘をついて掌に顎を乗せながら不満気に呆れたように語られる中、私は『的を射た言葉』に聴き入っていた。
肩身が狭いという感情よりも、知りたいという欲求が勝った。
その人から見える自分の在り方は、自分の目からは決して見えない。
どうしても主観になってしまう。その考え方は、どう映るか知りたかった。
自分で客観的に見るにしても、どうしても基準が自分だから偏ってしまうから。
ティオネ「でもね…世の中には、それを察せない人間もいる。悪い奴だって、あんたを罵り続ける街の奴等のようにね。
あんたのその優しさも見抜けないで、その偏見を周囲に叫んで押し付ける人もいる。
でもってそれ以上の悪人だっている。
だから!…仕方ないから叩き込んでやるわ。
人に対する見え方とか、私から見える範囲だけね。
今だって本腰入れて聴き入ってるし、知りたいんでしょ?
他人の目にどう見えてるか。
街の人達みたいに見えてしまっているのか」
ケイト「うん」こく
ティオネ「あんたってホント底抜けの馬鹿ね。
そういうのは普通隠すなりなんなりするのよ」