第68章 騒動
ケイト「うん…
今目の前にいるのは…大事な人。
大事な、大事な…過去と同じ苦しみを与えまいとしてくれる…優しい人」じわっ←涙が滲んでゆく
マヤ「なら尚更だ。
今のあんたは…何だ?
今いるあんたは…何を考えて、そう在ろうとしている?
そこが一番大事なのさ」
ケイト「うん…」涙が零れ落ちる
マヤ「だからそれを受けた相手がどう思おうが関係ない!(頭を振る)
『相手のことを考えて』ってのが一番大事なのさ。自分の気持ちを考えてじゃない!
他の気持ちに寄り添い、痛み、だからこそ動く。その大前提が一番大事なのさ!!
…自分のことを考えてじゃないなら…自分の思い描く未来の為じゃないなら…胸を張りな。
「皆が楽しいかを視野に入れないまま、自分が楽しむ為に生きていて欲しいから」じゃないなら余計。
そこにあるのが、相手を愛するが故に感じる苦痛を少なくしたいと願う愛か、自分が皆がいる未来を過ごしたいが故に生きろと望む欲か。
自分勝手というのは、そこに線引きがある。
あんたのは…愛か?欲か?どっちだ?」
ケイト「………愛だ」
マヤ「なら迷うな!!
誰が何と言おうが、あんたは自分勝手じゃない。
そう罵られようが関係ない。そんな奴でも大事なんだろう!?」
ケイト「うん!(強く頷く)
当たり前だ!!
それまで関わらなかった人でも、関わらなかったからこそ『今』がある!
関わらなかったこその今に!幸せに辿り着けた!!
だから…全部が、大事だ…愛している…(涙)
…自分以外の全部…いや(頭を振る)
全部――大事にしたい」
マヤ「そうかい…
そこまでわかってんのなら…もう言うことなんて、悩むことなんて、もうないだろう?」
ケイト「うん」頷&ぐすっ
マヤ「愛している、愛してくれる…そんな人を大事にすることに構いな!
全身、全霊で!
尽くしてきたんなら胸張りな!」
ケイト「はい!」真剣&気を付け
マヤ「甘ったれんじゃないよ。
もう――自分で立てるだろう?」
ケイト「ぐしっ)…うん」←滲む涙を右手で拭う
マヤ「あんな地獄じゃあるまいし…
今じゃ理解のあるものがいる。理解ある皆が、お前を放っておかず、傍に行こうと、駆け付けようとしてくれる。
立派な家族じゃないか(にや)
胸張って…そこに立ちな。
そこに傷を持ち込むのは野暮ってもんさ」