第11章 雪と真相
その頃の執務室(当時)
フィン「?なんだか食堂が騒がしいな」
リヴェリア「それよりも仕事に目を向けろ」
フィン「はいはい」溜息&苦笑
『生真面目?)…;』
獣人だけでなくほぼ全ての団員が集まった中、そう食堂に集まった皆から思われた。
その中で当の私は、ティオネに連れられるまま屋内の鍛練場へ移動した。
何故か周囲の皆も観戦のつもりみたいでポトフのお椀片手についてきた。
ケイト「勝負のルールは?」
ティオネ「ガチンコに決まってるでしょう!?
どちらかが諦めるまで勝負よおおおおおおおおお!!!!」
結果…20分間全力の拳や蹴りを全て避け続け、怪我をしないよう流しつつ受け続けた。
ティオネ「はあっはあっ」
全力を出し続けたのが要因か、限界が20分後に訪れた。
跪いて地に両手をついて息を荒らすティオネに、私は歩み寄った。
ケイト「あの…」
ティオネ「はっ…はっ……
何でよ…何で、そんなに強いのよ。
何で…あの団長に、惹かれてるのよっ!」
ケイト「そんなこと言われても、わからないよ。
あの当時の私は…自分を要らないものだって決めつけてた。
人の助けになれるならそれでいい。自分の価値はそれだけだって思ってた。
でも…私は、そこから救われたんだ。
街の人を前にして…混乱して、泣き崩れて…死にたくなった。
その中でフィンは言ってくれた。
縛られることはないって…自分の人生を歩んでいいんだって、教えてもらった(嬉し涙目)
私のどこに、フィンが惹かれたのか…
私の中の『勇気』に惹かれたって…惚れたって言ってたけど、私にはよくはわからない。
傷付けられるって解ってても、飛び出してたから。あんな痛み味あわせたくないってエゴだったし。
傷付けられても傷付け返さない。それを行動に示し続けるのは普通じゃできない。
傷付けられてもなお、殺されかけてもなお、その想いを優しさを貫き続けようと踏み出せる。
それは『勇気』だって言ってくれた。
でも…私には、あまりよくわかんない。勇気かどうか、判別がつかないから。
オッタルとの戦いの時のあれは勇気だってわかるんだけどね。
けど…フィンに惚れた理由だけは、よくわかるよ」