第67章 躍進
精霊王「あ、世界樹の実について1個伝え忘れとった…;
まあいっか。
今はアルとディの写真整理で忙しいし」によによ
テロップ『↑孫馬鹿』
遺伝要因
「まあいっか」
気にならないこと、興味のないことにはとことん拘らない。
ただし、意図せずに気付かない時もある。
軽過失なので今双方にいる周囲は優しく見守っているが、重過失(殺人、暴行、暴力、暴言)に至れば無論なりそうになった時点で止める。
その環境もまた、地獄落ちを避ける上において必要な要因なのではなかろうか…
とフィアナは思考の隅で思ったが、敢えて口に出すのはやめた。
同時刻、北エリアの世界樹の天辺にて…
『諦め切ったすまし顔のフィンを歪めてやれ!』
と気合を込めるように世界樹の剪定をし続けていた。
テロップ『彼を諦め切り見限ったフィン、諦め切れず信じるケイト』
が…
ケイト(実父はもう諦めるしかないけれど…
何でかなあ…外と内であんなに違うのに…外の人が、いい人だから、ってことで…
私やお母さんやお姉ちゃんに散々してきたことまで、いいこととされる。そうされ続けてきた……
だからなんだろうな……
いい人だから、いい所があるから、何をしてもいい、許される、優しさとして認識される…
それが私には…死ぬよりも辛い。
「所詮女には(ツナの)魅力はわからねえよ」
そう、別世界でいくら言われても…前世の男も、前々世の男も、魅力を感じないよ。
どっちも戦を生きてきたからこそ…
戦で殺した人の数こそが名誉の証、殺さなければ出世出来ないとされた時代だったからこそ…
平和な時代で守られて生きてきた人が…殺しをして、それも怒り任せにして、平然としていられる感覚がまずわからない。
私は、殺さないことを選んだ。時代に流されず、自分で選択して決めた。
それへの後悔はない。いくら侮辱されようとも、人として恥じない生き方を貫いたと断言できる。
だが…ツナは真逆だ。仲間の為なら…いくら殺しても平然として、繰り返すまいと努力せず修業もしない、重力で捕えられるのにまた怒り任せではない殺しを敢行した。
私には…その在り方が、命に対する侮辱に見えてならない。
仲間の為なら殺しても無罪?そんな馬鹿な話はない。
それなら私は…どれだけ、大事な人の魂を消されたか…怒らないのが当然とされればいい?)