第67章 躍進
「わかった、我慢する!」
「偉いぞ!(なでなで)
だが、感情が暴走しそうになればいつでも言っていい。
ここ、神国の王のように、闇と共に生き、ありのままの感情が収まるまで寄り添い、否定せず受け入れ、宥るまで共にいる。
お前を悪いことをするものへは絶対にさせない。気にせず、在りたいように在っていい。
かの王は、「気に食わないことを一つされれば全てやり返していたら、きりないからね」とも言っていた。
だからやり返さないのだと…ただの自己満足に過ぎず何ら得にも益にもならず、害にしかなりはしないと、言動で示されていた。
その決断は、お兄ちゃんになるのに、とても大きなものだ。
我慢を強いるつもりはないが…程々にな?」
「うん!!」
「ただの駄々っ子だからな…
気に食わないだけで暴れて危害を加えて平気でいられる内は。
暴れた後のこと、他の迷惑や被害、傷を考えて、痛んですらいない。人のことを考えていない証だ。
だがそこまで言ってしまえば…自分というものを見据えることすら出来ないほど押し殺してしまうかもしれない。
それだけは避けなければ」←全部言ってる
「なるほど」
「あ…;口に出ていたか…;
とりあえずだ、その怒りも、自分を知る為の大事なものと捉えろ。
だが…はき違えるな。怒りさえ感じれば何をしてもいいわけではない、免罪には決してならない。
あの世で必ず清算される、神々が見ていらっしゃるからな…
我々の魂は全て神々の子、同じ神の子として恥ずかしくないようにな?」
「はい!」ピシッ!←両手を太股の横につけ両足をぴったり揃え、気を付けをする
その子供に、父親らしき人は微笑み掛けた。
お前の成長を、父として見守っているぞ――と
「ありがとう…お父さん!
でも…人って怖いね。
人を傷付けて、痛い目に遭わせて、その苦しむ姿を見て楽しいなって自己満足するようになっちゃうんでしょ?」
「ああ。
そしてそれは人として恥ずべき行為だ。
いいか?誰もが至らない部分はある。
王様が言っていたが「正義はない」。
意味は分かるか?」
「ううん」頭を振る
「王は言った。
「人は皆、誰もが、誰かから見れば至らない点がある。
今という時点は成長過程の途中であり、人によっては合う人、合わない人もあるだろう。
誰もが、誰かから見れば間違いなのだ」」
「!え!」