第67章 躍進
鼻で笑う次元に、嘆くように再び背をソファーに預けて寝転がった。
次元「会議っつうよりは…会談みてえにのほほんとしてねえか?
雰囲気が」
ルパン「だな…」
ルパンが見ているライブ配信中の会議、もとい会談の光景を前にして次元が呟き、ルパンも同意した。
次元「で、その事件調書、どうやったら見れんだ?
さっきから宙にもう1個画面が浮いてるが…それが事件調書か?」
ルパン「ああ、これが事件調書。
出し方は神国警察機関の証拠収集課特権で、警察章の『これ』だよ」にや
そう言いながら自身の右耳にかけているイヤホンマイクを右手で摘み、見せつけるように上げた。
耳に掛けるタイプのイヤホン、『ク』の形状をしたそれを掴み、僅かに上げながら言った。
ルパン「傍から見ても気付けねえようなもん(認識阻害)になってるし、このままマイクがなくっても声も出さずに通信や会話もできる。
たとえどれだけ離れててもな。
何より、立体映写で書類も順次手に取らなくっても確認できるし
見たいもん思い浮かべるだけで済むし、報告も文章気を付けなくっても報告したい内容思い浮かべるだけで出来る、入力の手間要らずと来たもんだ。
下手すりゃ科学文明より五百年分ぐれえ先いってっかもな?なはは^^」
次元「ああ。これか」←耳にかけたままのそれを右手で摘まむ
ルパン「ちなみに、この通信機能と、神国警察のエンブレムが出るホログラム機能のみが出来るおもちゃが売られてるし、子供もごっこ遊びしてるぜ?
認識阻害はされてねえはずだし…公園でも見たろ?」
ほれ、とホログラムを映写するルパンを見て、次元も同じことをした。
次元「ホログラムね…」
かちっ←『ク』の中心から上にあたる角の出っ張りを押す
ぽおっ←『ク』の左端に位置する場所から発光、立体映像(ホログラム)映写
映写されたのは、神国警察のエンブレム。
そしてもう一度押せば、ホログラムに映し出されている映像が切り替わり、次元の神国警察の所属先と証明書の情報が表示されていた。
次元「ほお、そんな機能まであったのか。
っと、イメージすりゃ欲しい情報の提示も出来るんだな」
ルパン「わからずに使ってたのかよ;」眉顰め
次元「生憎報告はお前任せなんでな。
ルパン、てめーが俺等のチームのリーダーだろ?」
ルパン「ん…まあそりゃそうだがよ」