第67章 躍進
次元「何だ?藪から棒に」
煙草を咥えたまま銃を掃除中の次元が訝しげにルパンを見やる。
ルパン「ガキが調子に乗んなって話だよ。
(むくっ)←寝転がってたソファーから起き上がり2人見やる
ああいう風に、地道に頑張ってんならともかくなあ」←棚に立て掛けられた英雄譚Unlimited指差す
「「?」」
次元と五ェ門の2人はなおも言っている意味が分からず、2人は互いに顔を見合わせ、肩をすくめて首を傾げるばかりだった。
五ェ門「話が見えん。何が言いたい?」
ルパン「だぁから!
気に食わねえんだよ…
命を奪うだけ奪って、責任取りません、命を奪われるようなことしてませんって奴はな。
内面的にガキな連中が、一方的な価値観で殺したい、許さねえってだけで殺しておいて、罪に問われるのがおかしいですって感じのがよお」
次元「ルパン…それ言ってたら俺達殺されなきゃならねえぞ?」
ルパン「俺達ぁ大人だろうが。
罪の深さも、遺恨も、全部理解した上で、背負える奴を選んで殺してる。ゲスをな。
だがガキにゃそんなん考えてすらいねえ。こいつを殺して殺されるならそれでいいって所まで思考を回してすらいねえ。
付き合いのなげえ身内が殺されたんならいざ知らず、それほど深くも知り合ってもいねえ奴が殺されて我を忘れるか?殺しても無罪ってか?
ふざけんなって話だろ」
次元「まあ…な。
で?どこの誰なんだ?そのやらかした馬鹿は」
ルパン「しーらね!」
次元「おいおい待て!;知らねえ奴に怒ってたのか!?;」
ルパン「そういう奴もいるって、名も伏せられた状態であがってんだよ。
事件調書にな」
五ェ門「それで?…そやつは処罰を受けたか?」
ルパン「受けてんならとっくにここにゃ載ってねえよ!
改心して償おうと努力してねえ限りは」
次元「努力すりゃ消えるのか?」
ルパン「ああ。そういう仕組みのなんだよ」
五ェ門「切るか?」
切りに行くか、と暗喩しながら尋ねる。
が、それにルパンは頭を振った。
ルパン「…ここにゃ入れなくなる。
俺達も同じ穴の狢になっちまうからな。
殺したいからってだけで、好きに殺したいように殺して回りゃ、それはただの殺人鬼だ」
次元「はっ。殺人鬼のガキをどう始末(落とし前)付けるってーんだ?」
ルパン「わかんね…上が会議中だとよ」両手後ろで組み寝転がる