第67章 躍進
フィン「傍から見ればただのディスりだろうけどね…
彼女からすれば…どうにもならない現実への悲鳴で…
彼をどうにかして助けたい、彼だけでなく世界も助けたい、という願いの表れでもあった。
我を失うほどの激情が送られ、わけもわからないまま振り回されるのも無理はない。
それを…容易く、踏みにじった」ギリッ!!←歯ぎしり
ケイト「でも…違う世界では教えてくれなかった。
ここも…もし、そうなったらと…そればっかり;
見せないように、殺して…」
フィン「フィアナに教えてもらっただろう?ここは『もう』大丈夫だと」←2998ページ参照
ケイト「最初…目も背けられない現実を前にした時……
これは…――罰なんだろうか?
そう思った…」
フィン「精神崩壊、分離不安症、様々なことがあったね」遠い目
ケイト「知ってたなら何で教えてくれなかったの!;」悲痛
未だ跪いたまま、泣き叫ぶかのような悲痛な叫び声が耳朶を震わせる。
リヴェリアはそっと肩に手を添え、泣きそうな顔をしている。
その中で、僕は…2人とは違って跪かず、見下ろしていた。
フィン「教えたら…どうしていた?」
ケイト「!……」
フィン「無駄な足掻きだ。
彼が一体、『いつ』、神々の決断を揺るがさせるようなことをした?
神々の総意を揺るがす!それほどの無償の愛を、他へ力を決して求めず幸せを願う思い遣りを、利他的な献身を、誰に、生物に、物に、一体いつ!どこで与えた!?
いくら訴えかけようが、心配して声をかけようが、何をしようが!
全てを否定され!敵愾心を抱かれ!殺そうとばかりされ!!逆のこと以外何もされはしなかっただろう!!?
あまつさえ余計な世話だと!!おせっかいだと!!!頑なに無下にし続けるばかりか世界を無数の魂ごと滅ぼし続ける外道等を相手に何を考えている!!!?
何をした所で得たのはその結果が早まることだけだ!僕はもう十二分以上に結果を見ている!!知っている!!!
あんな魂!最初から全て見捨てればいい!!!そして…
そして…――僕と、2人で……遠くで、暮らしていた方が余程有意義だったはずだ…!!
君との記憶がある…唯一と……彼の魔の手が届かない場所で…」
ケイト「………
…知ってる……わかってる……」
フィン「君はもう…気付いているんだろう?」
ケイト「うん…」