第67章 躍進
安堵し、泣き震えたままのケイトを両の腕に抱き締めたまま、リヴェリアは僕を睨視し続けていた。
フィン「僕は一度ガレスと戦ったことがあるから、肌で感じた方が早いと思って…」
リヴェリア「で、戦わせたと?」
フィン「遠征の小休止中で、時間もそう残されて無かったからね?
気付けば終わっていた;
外に出そうとしていたんだが、出せば外の方が空間ごと余波で壊れかねなかった。
そもそもがここは迷宮だし、神がいると知られればイレギュラーが発生する。
どうにかして動かして止めるよりも、透過させて力を送り込んで、より早く終わるように導いた方が早かった。
結界内の人が気力や体力が早く尽きるように、効果を施してね」
リヴェリア「ほお。そうだったのか…」
フィン「あと、ケイトの負担も和らぐようにはした。
妊婦と言えど運動は必要だし、最低限のになるよう原子レベル以下で仕込んでいた」
リヴェリア「そうか…だが……」すっ←杖を手に取り構える
ごおっ!!!←ルミエール・インフェルノ展開
リヴェリア「それとこれとは別だ」睨視
フィン「だろうね^^;」
リヴェリア「覚悟しろ!」
次の瞬間、地獄の攻防が始まりを告げる…
ケイトを腕の中に抱き締めたまま、リヴェリアは僕へ四方八方、それも無数に『棘』が展開される。
無論、僕から攻撃は出来ない。ケイトがいるから。
スタント・ゼロがリヴェリアの魔力の大本へ辿り着き、事象を起こすことの無効化をするまで只管避け続けた。
そうして…数時間後に決着が着く。
ギリギリだが…眼前で棘が砕け散り、事なきを得た。
――と、思った
ごごん!!
リヴェリアが手に持っていた杖で脳天を殴ってきた。
それも僕だけでなく…
ケイト「何で私までええええ;」
リヴェリア「散々頼らなかった罰だ!・・」かっ!!
ケイト「ごめんなさいいいいい。嫌いにならないでえええええ」涙
『!!/!え…』瞠目
フィン「驚いたな…こんなことを口走るようになるとは…
ケイト「嫌いになって欲しくないのおおお;;
他の人にならいくらだって嫌われてもいいから!皆だけはっ!
動いてくれる、ちゃんと見てくれる、皆だけは、やだああああああ!!!わああああああああんっっ!!」
子供のように号泣する様を見て、ある言葉が浮かんだ…
テロップ『インナーチャイルド』