第67章 躍進
ケイト「うん…普通のことでしょ?」
「「それが普通なら最初から争いは起きない!」」
時間の経過を押さえる為、先程ガレスとケイトとの戦いで張っていたのと同じ結界、神の力を外に出させない結界でリヴェリアと僕も含めて囲っていた。
ついでに言っておくが、遠征の小休止中だ。
迷宮に神がいるとわかられてしまえばイレギュラーのもととなるからね。
フィン「うん…
それを法律として、遵守するよう皆に通達すれば…
君の願う、誰もが立ち上がれるように支え合う未来(3034ページ参照)が叶いそうだね」
リヴェリア「だが、それを抱かない人、理解できない人からすれば軋轢にしかならんぞ?」
ケイト「だね…
だから…基本理念としておいて、最低限守ってもらえば、それでいい。
「ムカついたら、癇に障ったら、殺されていいのか?
そんな理由で、大事な人を、殺されて、飲み込めるのか?」
私は飲み込めないから、人にしない道を選んだ。
「それ」を他の人へ、皆へ問う。
それと同じ道を行けるかどうか…それでいい。
傷付けるのも、殺すのも、人は簡単に出来てしまう。それさえ戒められれば、それだけでいい。
人に代わりはいない。皆、違うのだから」
「「!!」」
ケイト「正義はない!
人の数だけ、価値観も、正義も、悪も違う。
どうあっても譲れない同士なら、押し合いにしか、削り合いにしかならない。
なら…距離を取り、置き続けるようにする他ない。
どちらも…譲れない部分を、侵害されたくないのは同じだから。
正義さえ異なれば悪か?違う…
これは私の持論だが…
異なる全てを無理に、自分に合わさせることに、殺すことに、傷付けることに、『悪』は宿るのだと思う。
所詮、人の匙加減次第だ。
譲れないものが重なったとして、方向性が違えば…どちらかが折れ曲がるしかない。
合わない人に無理に合わさせようとすれば、互いに削り合うしかない。
大事であればあるほど、それとは相反する存在に反発し、反目しがちだ。
私は…それに執心するより…距離をお互いに取って、その人達が幸せになればいい…
だから…合わなければ、ほっとくしかない。
互いに、互いの否定としか受け止められない…そんなの、辛いだけだから。
そうなってしまえば…傷付け合うことでしかないから……」
フィン「なるほど…だから…か」