第67章 躍進
分散を内のみにすることで、無駄になる消耗分を減らすのは基礎技術。
赤の極地…
赤のそれは…最も分散しやすい性質を持つ魔力強化なのだが、それとは反面にガソリンのような爆発力を秘めている。
それを体外には一切出さず、体内のみに留め、触れた瞬間のみに当たった場所のみから送り付ければどうなるだろうか?
そもそもが…風月流による、魔力を触れた箇所から送り付けて、魔力の濃度を物質が耐えられない密度で送り付ける『爆裂拳』。
そして当たるまでは力まず、当たった瞬間に力み全力を送る技術(11,12ページ参照)、魔力強化に伴う運用法(2662,2663ページ参照)を事前に教わっていれば…答えは、自ずとわかるだろうか?
既に修業空間のケイトが教えていたことで…既にわかっていた。
ガレスの体が血の色の発光をする。
体内のみに留め、外へ出ることすら赦されないそれは荒れ狂い、本来ならば爆発四散するはずの量と密度を誇る。
しかし…しかしだ。
それすらも物とし、爆発の影響を余剰分として強化分のエネルギーとすることで一体と化している。
物質化も超え、神の力と至ったそれは…己という『エネルギー(神の力)』と化す。
魂の力でもあるそれは、魂の意志を反映させる。たとえ体が人間のままであったとしてもだ…←2207ページ参照
ガレス「ギガンティック・エクスプロージョン!!」
赤の極地とは…
触れればその瞬間に対象を爆発四散する、内でのみ全てを解放し、力を外に出すことによる防御を捨てたバーサク状態。
本来ならば爆発四散しているのはガレスの身体となるほどの量と密度なのだが、魂の意志がそれを許さず、逆に爆発の威力自体を自身を強めるものとされている。
ガレスとオッタルは同じ境地に辿り着き、熱く、激しく、ぶつかり合っていた。
ガレス「熱き戦いをおおおおおおおお!!!」くわっ!!
ケイト「さあっ!)にっ逃げろおおおおおおおおおおお!!!」真っ青
身体を燃やさず真っ赤に文字通り煌々と燃え上がるガレスに
寸分の迷いもなく、全力できびすを返しながら叫ぶと共に走った。
が、僕の結界のせいで阻まれた。
本能的に悟ったのだろう…
魔力を体外に一切出さず、相手に一点集中で送るようなものだと……
そしてその異常さは…やろうとして爆散したことがあるケイトが一番よくわかっていた。