第67章 躍進
踊りが続く、輝かしい声が、輝きに満ちた、喜ばしい弾んだ声が響く。
その最中…それとは相反する想いを胸中に抱きながら、私はお腹の中のウルへ声を掛けた。
ケイト「ウル…こんな、腐った大人にはなるなよ?
自分が中心だなんて、思わないで。
皆が中心なんだ…
命も、心も、等しく、全てが等価値で、平等なんだ」なで
ただ、違うだけ――
それを伝える為、お腹を撫でた。
その折…僅かに、体動を感じた。
私への返事なのか、既に魂が宿っているのを感知していたので…
聞いての返事だと、私は受け取った。
恐らく…生まれ落ちた後、このやり取りの記憶はないだろう。
だが…大事な面をとらえてくれると、信じることにした。
ケイト「踊り…楽しそうだね…」くす
アル「マンマ!やる?」
ディ「やろ!」
ケイト「うん!^^」
そうして…僅かばかり、参戦させてもらうことになった。
木へ変化が訪れたのはほんの数分後だった。
「木が元気になるおまじない」と聞いたそうだが、元気を通り越して立派な実を2つならせた。
一つは半分して、アルとディへ絞って種以外を飲ませた。
同じくもう一つを、私とお腹のウルに分けた。
が…フィンの分をすっかり忘れてしまっていたことに、飲んだ後になってから気付いた。
アル「あのね。
この種、中心地と東西南北と雲王国エリアの東西南北と、外界エリアの東西南北に植えて?」
ケイト「外界エリアの北は沖だよ?;」
ディ「なんとかしてー!」
アル「マンマ、お願い!」
ケイト「あはは…^^;
わかった、皆に何とかお願いしてみるよ」
で、何とかして植えることになった。
沖の中でも北の範囲の中心にあたる部分、海水ではなく淡水エリアの部分に無人島を作り、その中心に植え、寂しくないよう花畑を育てた。
他は別段大丈夫で、中心地のそれも木が育つよう、育っても建築物が大丈夫なよう何とかした。
種を鑑定すると…世界樹の種。
ケイト「!!!!!!???;」ピシリ←硬直
アル「どしたの?」
ディ「マンマ?」
問題事が、手を振ってやってきた…(滝汗)
精霊王の森の大樹の枝(1721ページ参照)と思っていたら、それは世界樹のものだった。
正確には…精霊王の森の大樹自体が、世界樹の枝を精霊神から賜って育てたものだったらしい。