第67章 躍進
今更…この生き方を変える気はない。
たとえ望まれなくとも…僕は……あなた達のような、光となりたい。
僕の、最初の光となってくれた…両親のように……
だから…この道を、進ませてくれ。
お父さん…お母さん……
涙がぽとぽと音を立てて落ちてゆく中…温かな何かに包まれ抱き締められた感触がした。
その方へ目を向けた…背後と、右隣に…
既に抱き締められている正面と、ベッドと面している左隣は見ずに。
その時――確かに見えた
すぐ傍で、笑って…頷く…両親の姿が…
あの時のように…安堵とした表情で…愛し気な眼差しを送って……←695,716,2319ページ参照
両親の死は…愚かだった僕への、罰だったのかもしれない…
フィン「…ごめん…なさい……(ぽとっ)
俺は…愚かだった…盲目になって…」
涙で滲む視界の中、確かに母は、頭を振っていた。
もう過ぎたことだ、と父から頭を撫でられる感触に包まれた。
フィン「そればかりか…両親との続きを、ケイトとの続きに重ねて…←719,1230ページ参照
今度こそ喪うまいと躍起になって。
けれど…喪いたくないものは、喪ってからばかり気付かされるっ!;;」
母『大丈夫…
この人となら…きっと、うまくいくから』
父『ああ…きっと……お前の全部を、受け止めてくれる。
決して、逃げたりなんかはしない。お前を置いてはいかないだろう』
フィン「ああ…よく、知っている…」
母『心を、強く持って…?
幼い頃から、あなたは必死に馬鹿にする他種族に食らい付いていったでしょう?
誇りを持ちなさい。私も…影ながら、誇っていたのだから』
父『恥じることはない。そんなに、難しく考え込まなくていい。
ここまで来れたことの方が余程驚きだ。あの頃(1260ページ参照)からは想像もつかなかった。
何をなしたいか…考えることはそれだけでいい。
よく頑張った…(なでなで)←あの時(1262ページ参照)のように頭を撫でる
流石、俺の見込んだ息子だ^^』
少しは…応えられただろうか…
恩に、報いることは出来ただろうか…
生前の内に出来なかった孝行を…出来ただろうか?←716ページ参照
父『ああ…十分だ』微笑&頷
母『もう…自由になって……
生き方に、縛られなくていいから…
どうか――あなたの進みたい道を行って?』