第67章 躍進
気圧と空気の薄さ、重力を強くする等の設備も、コクーンの異空間エリアの防衛隊本部にある。←2413ページ参照
悪質な行為が行われた瞬間、即座に結界が察知。と同時に固まらせ、結界からの報せを受けた防衛隊が瞬時に駆けつけ確保。←1949ページ参照
駆け付け方も、結界を介して場所を教えたもらうとほぼ同時にテレポートがAIにより即座に用意され、異空間(本部)からテレポートを介して一瞬でのことなので手間要らず。
AIにも人権があり、サポートに回ってもらっている。←2526ページ参照
情報集積及び分析に伴い、各隊員が持つ傾向全てを把握しており、長所を伸ばしつつ短所を補う手法を凝らしてくれている。
早い話…ありえない速度で躍進している。
正直…ケイトを見ていると、今までしてきたのは何ら取り留めのないことなんじゃないのかと思いそうになる。
知っている…これは嫉妬だ。
僕にはできないことを軽々とやってのけ、当然のように…純朴に、誠実に向かい合い、高潔に振る舞っている。
どれもが…僕にはできなかったことだ。
君は、僕にしかできないことが多いというが…そういうことじゃない。
自然としてしまっていることが…怨めしいんだ。
僕の無力が…ケイトが気付いて僕が気付けなかったことから、ここまで差が広がってしまった現実が…
だが………時々…ふと思う……
君がいなければ…きっと……今も、英雄となった僕や同族達を追い掛ける人以外は…全て俯いたまま、絶望して生きていたことだろうと……
同族達が、『自ら』光を与える側に、俯く同胞へ手を差し伸べるよう変えれただろうかと…
その時――決まって思う……僕には無理だと…
ケイトは言った…
フィンは、私の光だと…フィアナだと。
見捨てずに、信じて、見て、傍にいてくれた。だからこそ、迷わずにいられるのだと。
小人族を変えた時…満面の笑みを浮かべながら、フィンが救ったんだと言ってきた。現状を知らなければ動かなかっただろうと…
だが、僕は時間の問題だと言った。
それに頭を振りながら
「私は…目に見える世界しかわからない。客観的に見て、分析して、伝えてくれる人がいるからこそ…主観的な私でも動けるようになる。だから…フィンがいなければ絶対できなかった。断言するよ!」
そう真剣な表情で双眸を見つめられ、言い聞かせられた。