第67章 躍進
フィン「君の言う…
疎外だと言ってくる=傷付いている、と感じる感性は大事だ。
そのことに心を痛めているのも、非常に希少な逸材だと言ってもいい。
だが、肝心な所を履き違えてもらっては困る(真剣&睨視)
君の理屈で言えば、「犯罪者を疎外するな、野に放て」というそれすら通り兼ねない。
助長を招く。一つ通せばまた次、また次と増長していくばかりとなる。
心さえ大事にすれば全てが回る訳ではないんだ。理屈も法律も会話も通じない人だっている。
それをまとめる為の最低限の取り決めすら守れないから入れないんだろう?
それに心を痛めるのは大事なことだが、そこで躊躇して通してしまえば被害を被るのは国民と旅人達だ。
その為に君は、全てを敵に回してでも戦うことを選んだんじゃないのか?」
ケイト「うん。そうだよ…」
フィン「なら…君のすべきことは何だ?」
ケイト「……言いたいように、言わせておく。それしかできない。
人の口に戸は立てられぬ、でもそれに惑わされて振り回されてはならない。
肝心な譲れない所を、譲ってしまってはいけない。
でも、そうでない部分だったら…」
フィン「それでも惑わされるな!!
君があれこれ揺らげば、下は戸惑うばかりだ!
纏め役として、長として、誹謗中傷されようが構えろ!!
一番守りたいものはなんだ!?
甘ったれるな!!」
ケイト「…きついな…
寄り添いたい感覚を、見て見ぬ振りするのも…」
フィン「なにも、するなと言っているんじゃない。
相手を選べと言っているんだ。
わかるだろう?
大事に想い、寄り添った末、利用する人か…それとも、同じく想い、寄り添う人か」
ケイト&フィン『一番大事にすべきは後者だ!!』
フィン「瞠目)!…」
ケイト「わかってる…忍びなかっただけ。
戦うにしても、戦うべき相手を見誤るなとか、そういうのを考えかけてた。
でもやっぱり、虐げになるかなって…少し躊躇していたんだ。父と同じにだけはなりたくないから」
フィン「…ああ……君の想いは、十二分に知っている。
だが…」
ケイト「ああ…
どっちに転んでも、避けられないこと、なんだろ?
どう在っても避けられないのなら、互いにとって実のあるようにというのもわかってる…
でも…実になるならないじゃなく、助けられるなら助けたいだけ。
それが…私の根源だから」